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熊本から千葉へ 清武功暉、挑戦への背中押した兄・弘嗣への感謝

[ 2017年2月17日 10:10 ]

ちばぎんカップの柏戦でドリブル突破する千葉の清武功暉(左から2人目)
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 「帰るから!」。J2千葉のMF清武功暉(25)が、兄・弘嗣(27)から受けた連絡は、まさに晴天の霹靂だったという。話題を集めたセビリアからC大阪への電撃復帰。兄がスペインから帰国するフライト直前に知らされた功暉は「僕も全然、知らなかったんです」と振り返る。2017年。カテゴリーこそ違えど、兄弟がJの舞台でともに戦うことになった瞬間だった。

 18年W杯ロシア大会を見据える兄は、人生を懸ける決断を下した。海外挑戦に区切りを付け、古巣で再出発を図る。弟もまた、新天地を求めた。被災地でもあるJ2熊本を離れ、9年ぶりのJ1復帰を狙う千葉へ完全移籍。昨季は自己最多のリーグ37試合12得点と結果を出したが、胸の中には新たな思いが芽生えた。「これまで九州から出たことがなかった。違う環境に身を置いて成長したい」。特別な経験をした熊本に後ろ髪を引かれながらも、腹をくくった。

 弘嗣は弟の挑戦の背中を押した。昨年12月8日に自身のブログを更新。熊本に関わる人たちへ「兄として感謝しています」と長文のメッセージを書いた。「(その文は)確認しています。気に掛けてくれて、感謝しています」。当時をそう振り返る功暉もまた、兄のJ復帰が決まると「弘嗣を獲得してくれたセレッソにも感謝です」と自身のSNSにつづった。互いの胸の内が分かるからこそ、あえて兄弟の思いを代弁し、刺激に変えてきた。

 今月25日にJ1が開幕し、翌26日にJ2も初戦を迎える。功暉はアウェーで町田と対戦する千葉の主力として準備に余念がない。「昨季以上、点を取りたい。15点以上取りたい」。注目を集める兄だけではない。弟も熱い思いを秘め、開幕を告げるホイッスルを待っている。(大和 弘明)

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