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長谷部 PKで今季初ゴール!独誌ベスト11にも選出

[ 2017年2月7日 05:30 ]

ブンデスリーガ   フランクフルト2―0ダルムシュタット ( 2017年2月5日 )

ダルムシュタット戦の後半、PKを決め今季初得点を挙げたフランクフルトの長谷部
Photo By ゲッティ=共同

 フランクフルトの日本代表MF長谷部誠(33)が5日、ホームでのダルムシュタット戦で今季初ゴールを挙げた。0―0の後半29分に任されたPKを右隅に沈め、フル出場で2―0の勝利に貢献。2連勝で3位を維持したチームを引っ張るベテランは、ブレーメンなどで活躍した奥寺康彦氏(64)の持つブンデスリーガ日本人最多出場記録(234試合)まで、あと「3」に迫った。

 経験から裏打ちされた自信が、右足に宿っていた。0―0のまま迎えた後半29分。しびれる場面でPKキッカーを任されたのは、得点王の経験もあるエースFWマイヤーではなく長谷部だった。小気味いい助走の勢いそのまま右隅を狙い、GKの逆を突いてネットに突き刺した。今季リーグ出場17試合目での初ゴールに、右拳を握りしめて喜びを爆発させた。「強い気持ちを持って蹴るのが、決まるコツ」。そう振り返る表情には充実感がにじんでいた。

 ドイツに渡って丸9年。今や誰もが認める攻守の要となった。その統率力と戦術理解度の高さをコバッチ監督に買われ、今季はボランチ、センターバックを器用にこなす。地元紙なども西ドイツ代表の名選手、フランツ・ベッケンバウアー氏(71)の愛称である「カイザー」(皇帝)を長谷部を報じる際に用いるなど、実力を認めている。この試合はボランチの一角として勝利に貢献。地元紙ビルトはチーム最高タイの2点を付け「守備的な中盤で鋭いパスを出し、手綱を締め続けた」と評価。今季2度目となるキッカー誌のベスト11にも選出された。

 長谷部が積み上げたリーグ出場数は「231」。奥寺氏の持つ234試合の日本人最多出場記録の更新を視界に捉えた。その数字は欧州主要1部リーグでの最多記録でもあり、あと3試合で欧州で一番多くピッチに立った日本人プレーヤーとなる。だが、記録より求めるのは勝利。「与えられている役割は重要なもの。やりがいを感じるし信頼に応えないといけない責任感もある」。現在3位のチームを率いるベテランは足元を見つめ直した。

 日本代表は3月23日のアウェーUAE戦から再びW杯アジア最終予選を戦う。厳しい戦いが待ち受ける中、高いパフォーマンスを続ける皇帝の存在はハリルジャパンにとっても頼もしい限りだ。

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