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大久保 あいさつ代わりハット!移籍後初実戦でさすがの存在感

[ 2017年1月23日 05:30 ]

海邦銀行との練習試合で3得点を挙げたFC東京のFW大久保(13)
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 決定率100%!FC東京の元日本代表FW大久保嘉人(34)が22日、キャンプ地の沖縄で行われた移籍後初の対外試合でいきなりハットトリックをマークした。九州リーグの海邦銀行と30分×3本の変則マッチで対戦し、10―0で大勝。1本目に1トップとして出場した大久保は左右からのクロスにダイレクトで合わせ、シュート全3本を全て決めた。さすがの嗅覚と得点力を見せつけ、新天地で早くも存在感を示した。

 真新しいユニホームに袖を通しても、大久保は大久保だった。1本目の4分、永井の左クロスに頭で合わせて移籍後初ゴールを挙げると、12分には太田の左クロスを再び頭で沈める。23分には右サイドに展開して自ら起点になると、室屋の折り返しを右足ダイレクトで流し込んだ。「今日は得点よりフィジカルが中心。(攻守の)切り替えなどを意識した。その中で3点取れて、いいスタートが切れた」。加入後初の対外試合でハットトリックに納得顔だ。

 存在感は際立っていた。相手は昨季の九州リーグ8位の格下とはいえ、30分の出場で記録した3本のシュートを全てゴールに結びつける決定率100%だ。今合宿序盤のテーマはフィジカル強化。クロスカントリー走などで体をいじめ抜き、疲労が蓄積し始める6日目の対外試合では十分すぎる結果だ。前夜のミーティングでは攻守の切り替えに焦点を当て、自チームだけでなく別チームの映像を確認。そのイメージをすぐにピッチ内に落とし込めるのは、百戦錬磨の34歳だからこそ。「選手の特長は分かっている」と自信を見せた大久保は「俺が味方のクロスの回転に合わせてヘディングするだけ」。史上最多のJ1通算171発のプライドをのぞかせた。

 2点目をアシストした太田は「点を取ってほしいところに入ってくれる。頼もしい」と尊敬のまなざしを向け、篠田監督も「嘉人のゴール前に入るタイミングを見ることができた」と目尻を下げた。ピッチ内ですぐに順応しただけでなく、宿舎でも有意義な時間を過ごしている。「最初はみんなビビって話しかけてこなかったけど、徐々にイジってきてくれる」と大久保。目尻にしわを寄せて笑うベテランには、充実感がにじんでいた。

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2017年1月23日のニュース