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ファンバステン氏の改革案、現代サッカーから逆行する危険性

[ 2017年1月20日 07:45 ]

サッカーの規則改定の試案を披露した元オランダ代表FWのマルコ・ファンバステン氏
Photo By AP

 オフサイドを廃止すればサッカーの概念が変わり、戦術を一から練り直す必要があるだろう。

 相手ゴール前に常に選手を配置することが可能となり、長身選手が重宝される可能性が高い。一方でDFラインの背後のスペースはなくなるため、スピードのある選手の重要性は低くなることが予想される。前線から最終ラインが間延びし中盤に広大なスペースができ、現代サッカーほどの高い技術は要求されないかもしれない。

 昨年10月、ドイツ誌「11フロインデ」は検証企画として、5部同士によるオフサイドがない練習試合を行った。一方のチームは1人を前線に残し残り9人が守備でボールを囲む“ハンドボール戦術”、もう一方が最終ラインを高く設定する“フィールドホッケー戦術”を採用。後者が本来ならオフサイドのプレーで得点し、1―0で勝利した。内容は中盤が省略されてロングボール主体となり、専門家として立ち会った2部ウニオン・ベルリンのシュルトGMは「事前の予想よりつまらなかった」と指摘。オフサイド廃止は洗練された現代サッカーに逆行する危険性がある。

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2017年1月20日のニュース