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青森山田 高橋V弾4戦連発 昨年敗れた準決突破

[ 2017年1月8日 05:30 ]

第95回全国高校サッカー準決勝   青森山田2―1東海大仰星 ( 2017年1月7日    埼スタ )

<高校サッカー準決勝 青森山田・東海大仰星>前半ロスタイム、決勝ゴールを決める青森山田・高橋(右から2人目)
Photo By スポニチ

 埼玉スタジアムに会場を移して準決勝2試合が行われ、決勝進出の2校が決まった。青森山田(青森)はJ2千葉入りが内定しているMF高橋壱晟(3年)の決勝ゴールで東海大仰星(大阪)を2―1で下した。高橋は4試合連続ゴール。柴崎岳(24=鹿島)を擁した09年度大会以来の決勝進出で初優勝に王手をかけた。前橋育英(群馬)は佐野日大(栃木)に1―0で勝利。5試合連続無失点の堅い守りで2大会ぶりに決勝へ駒を進めた。

 東北の雄が、再び決勝の舞台に駒を進めた。その中心はやはり、背番号10。1―1で迎えた前半41分だ。J2千葉入りが内定している高橋が、左のロングスローからのこぼれ球に反応。ペナルティーエリア内右寄りから右足を振り、ニアサイド上部を打ち抜いた。4戦連続弾は豪快な勝ち越しゴール。派手なガッツポーズを見せた司令塔は「練習でもやっていたので狙い通り。うまく決められた」と事もなげに振り返った。

 青森山田での全国制覇は、小学5年からの目標だった。背番号10の柴崎を擁した09年大会、先輩たちが決勝で散った姿を中継で見たことは今でも忘れない。「柴崎さんが凄く注目されて憧れた。自分もここに立ちたいと思った」。同じ青森出身のスターの背中を追い、青森山田中から進学。自宅の部屋にはコルクボードに年齢ごとの目標を張り、体幹トレーニングを繰り返した。父の司さん(51)が「一つでも輝く何かを持つように」と願いを込めて壱晟(いっせい)と名付けられた青森っ子が、同校を7大会ぶりの決勝へ導いた。

 「いろいろな人に支えてもらっての結果。応援してくれる人のために優勝したい」。高橋は仲間の思いを代弁する。昨年12月の公式戦後にロッカールームからスパイク11足とGKグローブ2つが盗まれる被害に遭った。その後、柴崎や櫛引(今季からJ2岡山)がすぐにスパイクを寄付してくれた。前回大会は準決勝の後半ロスタイムに高橋のライン設定ミスから決勝のゴールを許したが、感謝の思いを優勝という形にするため失敗は繰り返さない。失点後に必ず円陣を組み、この試合も同点にされた直後に「去年と同じではダメだ」と確認し、勝利を呼び込んだ。

 今季は高円宮杯U―18チャンピオンシップも制し、初優勝での2冠達成を視界に捉えた。4戦15発の圧倒的な攻撃力を誇り、2失点と守りも堅いチームに死角は見当たらない。「自分のゴールで勝たせられれば一番だけどチームが勝つことが大事」と高橋。憧れの先輩たちも届かなかった頂点はもう目の前だ。

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2017年1月8日のニュース