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俊輔 磐田移籍が決定的に!2年契約で大筋合意

[ 2016年12月30日 05:30 ]

天皇杯準決勝   横浜0―2鹿島 ( 2016年12月29日    ヤンマー )

<鹿島・横浜>横浜の「10」番はこれで見納め?後半、FKを蹴る中村
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 王国復活を目指す磐田が横浜の元日本代表MF中村俊輔(38)を完全移籍で獲得することが29日、決定的となった。複数の関係者によれば2年契約で大筋合意、移籍金を含めたクラブ間交渉も既に詰めの段階を迎えているという。欧州への移籍期間を除き、計13年間、横浜の顔を務めてきた天才レフティーの国内移籍は初。近日中にも正式発表される見通しだ。

 間もなく「磐田の中村」が誕生する。今季の磐田は13位と低迷。14年7月以降は背番号10の不在も続いていた。復権の切り札として狙いを定めたのが横浜が誇る天才レフティーのMF中村だ。先月19日に電撃オファーが表面化。関係者によれば、2年契約の完全移籍で大筋合意。移籍金を含めたクラブ間交渉も詰めの段階に突入した。

 今季の中村は左膝や両足首の負傷の影響もあり19試合の出場で4得点。「ケガが長引いたのは事実。フルで戦えなかったのはクラブ、サポーターに申し訳なかった」。それでも卓越したゲームメーク能力、一撃必殺の左足は健在。FKだけで公式戦3得点を記録した。今月24日の天皇杯準々決勝G大阪戦で3カ月ぶりに実戦復帰すると、この日の鹿島戦でも後半18分から途中出場。主将マークを巻き、宝刀の左足で精度の高いプレーを連発した。

 試合後、来季去就については「クラブと代理人が話している。進んでいると思う」と話した。敗戦の瞬間、悔しそうにピッチを見つめ、号泣しながらしゃがみ込む斎藤の手を取り引き起こした。4分のロスタイムを含め出場31分間の鹿島戦が、トリコロールでの「最後の試合」となった。

 移籍の背景には中村のクラブに対する不信感と失望がある。編成面に強い影響力を持つシティーグループが強引な世代交代にかじを切り、功労者に対する来季年俸の大減ダウン提示、求心力の低下しているモンバエルツ監督の続投、長年、クラブに尽力してきた複数スタッフ陣との契約満了などが相次いだ。横浜で育った中村には耐え難い現実の連続だった。

 中村も38歳。横浜への愛着は強いが、残りの選手生活を純粋にサッカーだけに集中したい思いは強かった。横浜での今季年俸は推定1億円。条件面を下げてでもサッカーに集中できる環境を求めていた。磐田の名波監督とは00年アジア杯で優勝に貢献した盟友。同じ左利き、サッカー観も共通した部分が多く、新天地にふさわしい環境がある。中村にとっては初の国内移籍。希代のレフティーは来季、サックスブルーに袖を通す。

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