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内田 639日ぶり公式戦!完全復帰へ「感謝」の10分間

[ 2016年12月10日 05:30 ]

グループリーグ I組 ( 2016年12月8日 )

後半、ザルツブルクの南野(左)と競り合うシャルケの内田
Photo By 共同

 欧州リーグは8日、各地で1次リーグ最終戦が行われ、右膝負傷から完全復活を目指すシャルケのDF内田篤人(28)がザルツブルク戦の後半38分から出場。シャルケでは15年3月のレアル・マドリード戦以来639日ぶりに公式戦のピッチに立った。試合は既に首位通過を決めているシャルケが0―2で敗れたが、内田にとっては大きな一歩。復帰を待ち望む日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督(64)にも吉報となった。

 ビブスを脱ぎ、22番のユニホームを着た。後半38分。内田がタッチラインに立つとシャルケのサポーターが沸いた。「ウチーダ、オオー」。シャルケでは639日ぶりとなる帰還。「0―1でDFラインを代えるのは監督に感謝しないと。俺が監督なら代えない。今日は“リハビリ頑張ったご褒美”じゃない?」。飄々(ひょうひょう)とした言葉がいかにも内田らしかった。

 ポジションは主戦場の右SB。最初のプレーは後半39分、ロングスローだ。同44分には南野のシュートをブロック。「拓実は頭を下げていたので動かなければ当たると。股だけ気をつけた」と冷静だった。一番の喜びはケガを忘れ、勝利に固執してプレーする自分がいたこと。「ケガなく終える、ではなく、勝ちにいくことが頭に浮かんだのは良かった」と言った。

 引退の危機と隣り合わせのリハビリを乗り越えた。「俺の膝の手術、ケガが普通じゃないから」。膝蓋(しつがい)じん帯の骨化。昨年6月に手術するも回復は遅れた。「決断が間違っていたんじゃないかって迷った時期がつらかった。よく泣いた。1年9カ月やってないサッカー選手って引退がかかってるから」。チームドクターからは「復帰できるとは思わなかった」と言われたほどで、現地のキッカー誌は「試合結果に関係なく特別なことがあった」と報じた。

 日本代表のハリルホジッチ監督も待望していた内田の復活。試合後に南野とユニホームを交換した内田は言った。「本当に無駄な1年9カ月。そこはさっさと忘れて次へ行かなくちゃ」。既にチームは1次リーグの突破を決め、消化試合での約10分間だったが、着実に再スタートの第一歩を踏み出した。

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