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日本人初!香川CL2発で復活号砲 史上最速76秒で連発

[ 2016年11月24日 05:30 ]

欧州CL1次リーグF組 ( 2016年11月22日    ドルトムント )

左足で逆転弾を放ったドルトムントの香川(AP)
Photo By AP

 ドルトムントの日本代表MF香川真司(27)が22日の欧州CL1次リーグ第5節レギア・ワルシャワ(ポーランド)戦で2得点1アシストの活躍を見せた。トップ下でフル出場し、8―4の勝利に貢献。前半17分に頭、前半18分に左足でネットを揺らした。76秒での2発は欧州CL史上最速。1試合2発も日本人初の快挙で、通算3得点も日本人最多に並んだ。所属クラブ、日本代表で厳しい立場に追い込まれる中、巻き返しの一歩を刻んだ。 グループリーグ

 このままでは終わらない。たまっていた鬱憤(うっぷん)を晴らすように香川が躍動した。先制を許して迎えた前半17分、ペナルティーエリア正面やや右からの浮き球のパスに反応。ファーサイドに走り込み、ワンバウンドしたボールを頭で押し込んだ。その76秒後には右サイドからのパスをゴール正面で左足でトラップ。右足で左後方に持ち出してDFとの距離をつくると、左足でゴール右隅に蹴り込んだ。

 76秒での2発は非公式ながら、10年10月にトットナムのベイル(現Rマドリード)がインテル・ミラノ戦で記録した77秒を抜いて大会最速。欧州CLでのゴールは11年11月23日のアーセナル戦以来、実に5年ぶりで、公式戦の得点も8月22日のドイツ杯1回戦トリーア(4部)戦以来だったが、アピールには十分なゴールショーだった。

 4―2の前半32分には左サイドから左足クロスを送り、ロイスのゴールをアシスト。欧州CL史上最多記録となる12得点の打ち合いを制し「久しぶりのゴール。アシストも含めて欲しかったものなので、結果には満足している。(チームの)6、7点目ではなくて1、2点目だったことに価値がある」と胸を張った。

 苦境が続いている。ドルトムントでは公式戦4試合ぶり出場も、この日は決勝トーナメント進出を決めた後の消化試合だった。日本代表でも、W杯出場に向け大一番となった15日のサウジアラビア戦で先発落ち。清武、原口らフレッシュな力の台頭で地位は揺らいでいる。日本代表のハリルホジッチ監督からは「所属クラブで先発を獲りなさい。先発で出られるクラブに行きなさい」と移籍勧告まで受けていた。

 だが、20日に自身のブログに「僕は天才ではない。今考えてもずっと大きな壁が目の前にあり、そこを越えたい。そこを乗り越えなきゃ。その思いだけでずっと前に進んできました」とつづった。出番が激減しても心はブレなかった。体幹トレやヨガなど昨季から取り組む肉体改造を続けている。悩み、もがく中で得た2得点1アシスト。1次リーグ未勝利でF組最下位に沈む格下相手とはいえ巻き返しに向けた大きな一歩となった。

 「層が厚く常にローテーションがある中で自分の力を証明するためには結果が求められる。きょうは比較的、自由にトップ下でプレーできた。相手のレベルもあるけど、この感覚は大事にしたい」。ドルトムントでリーグ2連覇、マンチェスターUでリーグ制覇など誰よりも実績を積んできた自負がある。再び輝きを取り戻すため、自身と向き合う日々が続く。

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2016年11月24日のニュース