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ベテラン組が若手の台頭歓迎 長友「日本代表はこうあるべき」

[ 2016年11月17日 05:30 ]

世代交代?まだまだ僕は負けない!!成田空港で居合わせた子供の頭をなでる長友は新たな決意を胸にイタリアへ

 日本代表のベテラン組が新戦力の台頭を歓迎した。2―1で勝利したW杯アジア最終予選サウジアラビア戦から一夜明けた16日、FW本田圭佑(30=ACミラン)、DF長友佑都(30=インテル・ミラノ)ら欧州組8選手が所属クラブに戻るために渡欧。若手が積極起用されてチーム内競争が激化する中、簡単に定位置を明け渡さない決意を示した。

 世代交代の波が押し寄せる中、窮地に陥るベテラン組は意外なほどポジティブだった。長友は「若手が出てくることで自分の立場は厳しくなる。それでも、うれしい。これが本当の競争。日本代表はこうあるべき」と歓迎し、岡崎も「世代交代は来るべくして来た。日本代表が強いほど、そこにいることを誇りに思える。新鮮な気持ち」と前向き。本田は無言だったが、サングラスの奥の目はギラついていた。

 サウジアラビア戦は長年チームを引っ張ってきた本田、岡崎、香川がベンチスタート。代わって先発した大迫、原口、久保らが躍動した。長友はフル出場で貢献したが、今最終予選の出場はケガなどが重なり5試合中1試合だけ。現況は本田、長友、岡崎らが台頭して一気に世代交代が進んだ08、09年頃に酷似する。長友は「僕らが若い時に出てきた感覚を思い出した。あの時に中沢佑二さんや、中村俊輔さんがどういう気持ちでサポートしてくださっていたのか分かった」と実感。その上で「僕は負けないという気持ち」と若手に一歩も引かない姿勢を示した。

 ハリルホジッチ監督はサウジアラビア戦後、ベテラン組について「コンペティション(試合)のリズムにならなければ同じことが繰り返される。今後も先発で使われないだろう」と断言した。所属クラブで出番を増やすことが定位置獲得の条件となる中、長友が所属するインテル・ミラノはデブール監督を解任しピオリ新監督が就任したばかり。「どういう監督か分からないので一からのスタート。厳しい戦いだが、やるだけ」と力を込めた。

 長友は本田と同便で「圭佑と飛行機が一緒なのでいろいろ話したい」と機中で話し合う方針を示した。出発前の成田空港では居合わせた女性から「(本田の物まね芸人のじゅんいち)ダビッドソンの方じゃない?」との声が上がるなど全盛期のオーラは影を潜めたが、本田も長友も岡崎も3戦全敗に終わった08年北京五輪の屈辱をバネにはい上がった経験がある。逆境は大好物。まだまだ老け込むつもりはない。

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