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本田 先発落ち危機でハリル監督に反論「外される理由ない」

[ 2016年11月13日 05:30 ]

ボール回しで汗を流す(右から)岡崎、本田、酒井高、吉田

 大一番を前に嵐の予感だ。15日に18年W杯ロシア大会アジア最終予選サウジアラビア戦に挑む日本代表は12日、茨城県鹿嶋市で2時間のトレーニング。バヒド・ハリルホジッチ監督(64)からサウジアラビア戦での先発落ちを示唆されたFW本田圭佑(30=ACミラン)は真っ向から反論した。B組首位のサウジアラビア戦は勝利に加え、自身の価値も証明しなければならない一戦となった。チームはこの日の練習後、埼玉県さいたま市に移動した。 日本代表メンバー  W杯アジア最終予選B組

 自身の立場が危うくなった中で、“本田節”がさく裂した。前日の親善試合オマーン戦後、ハリルホジッチ監督は本田について「試合のリズムが足りない選手がいることを確認できた。誰が良いパフォーマンスなのか見極めないといけない」と酷評。サウジアラビア戦の先発落ちを示唆する中、練習後、本田は語気を強めて反論した。

 「今の時点で、自分が代表で外される理由が…」と切り出し、まず出場機会を奪われているミランの現状を説明。「成果を残せなかった。困難な時代を誰しも乗り越えられず、俺もその一人。一つの時代が終わった流れはある。完全に若返りを図る中、俺が外されるのは理解できる」。だが、ハリルジャパンでは簡単にベンチを受け入れるわけにはいかない。

 「俺は代表でこれまで自分で道を切り開いてきた。代表にふさわしい選手かどうかは自分で判断できる。誤解してほしくないのは監督に(先発を)選ぶ権利はあるが、俺は自分で判断できる。少なくとも自分はスタメンで出る準備はしている」

 08年6月22日、W杯アジア3次予選バーレーン戦でA代表デビューを果たしてから8年5カ月。2度のW杯を経験し、国際Aマッチ通算85試合36得点を記録してきた。10年のW杯南アフリカ大会では4試合2得点。決勝トーナメント進出の原動力となった。日本サッカー界をけん引してきた自負がある。オマーン戦も「いつもよりも感覚が良かった」と前向きに捉え、現状で自分が外される理由はないと強調した。

 「(監督の酷評は)ありがたいこと。批判も耳に入ってくるし、それもありがたい。見返したい気持ちがなければサッカーをやめた方がいい。自分でこうやって強がりで発言するだけではなく、周りから“本田が戻った”と言われるのも大事」

 サウジアラビア戦は負ければ指揮官の去就に影響することは必至。それでも、反骨心を糧に成長してきた背番4は黙ってはいられなかった。大一番を前にしてエースが指揮官へ反論を示すのはチームの和を乱すリスクもある。ただならぬ緊迫の中で、本田にとっても負けは許されない一戦を迎えることになった。

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