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社長、指揮官に続き…闘莉王退団「悲しい。2回も苦しませるのか」

[ 2016年11月6日 14:25 ]

名古屋退団が決まった田中マルクス闘莉王

 クラブ史上初のJ2降格が決定した名古屋の元日本代表DF田中マルクス闘莉王(35)の退団が6日、決定した。この日午前、愛知県豊田市の豊田スタジアムで闘莉王と佐々木副会長が面談。その場で来季契約を結ばないことを通達された。当初は豊田市内のクラブハウスで行う予定だったが、メディアへの露出を懸念して急遽会場を変更。だが、その後、荷物整理のためにクラブハウスを訪れた闘莉王は12分間に渡り、思いを激白した。以下、一問一答。

 ――荷物が少ないー
少ないね…。
 
 ――納得できない?
 悲しいです。またか、という感じ。2回も苦しませてくれるのか、と。納得どころか…ねぇ。

 昨年オフに年俸を大幅に下げられ、さらにFWのサブ候補という構想を突きつけられた。半ば追い出されるようにして一度は名古屋を退団したが、今夏、身重の新婦をブラジルに置いて電撃復帰。残留は成し遂げられなかったものの、一時は残留圏15位と勝ち点差7あった中、最終戦まで可能性を残した。それでも来年の契約は結ばないという非情宣告に闘将は寂しい顔を見せた。

 ――ジュロブスキー監督や久米社長も退任する

 今まで例(J2降格)がある中、成功例をマネればよいのに。広島(07年J2降格)もG大阪(12年J2降格)も継続して成功した。そういったところを勉強していないと改めて思う。悲しい。サポーターには申し訳ない、自分は何もできない状況になるわけなんで。悲しい。

 ――言いたいことは伝えたか

 去年の間違いとかの反省をして次に進むべきじゃないか、と。新しい体制になるとは言われたけど…僕もよく分からない。方向性は見えてこないのは事実。このままではJ1には戻れない。選手たちが出て行くのは引き留めれない。心が痛い。J2の降格と、きょうの話で…心がスタズタです。

 闘将は何度も「悲しい」という言葉を繰り返した。
 
 ――今後は
 まだ何も考えてない。何も把握できていない。僕の中ではボスコさん(ジェロブスキー監督)がいて、と考えていたし。ボスコさんがかわいそう。サポーターが残ってくれとたくさんの声もらったが“残れませんね”と。自分の選択すら与えてくれなかった。

 ――フロントのゴタゴタに選手が巻き込まれた

 それは感じます。本当に大丈夫か、と。心配は大いにある。

 ――半ば強引に復帰させた。普通は契約延長オファーが提示されるが

 どうですかね…よく分からない。こんな仕打ちでは選手が来ない?去年もいろんな選手とりにいったが、来なかった。そういう情報は選手間でも流れている。僕が来たときは名古屋に魅力を感じていた。そういう魅力を取り戻してほしい。名古屋でプレーしたいなと思えるチームにしてほしい。1年で戻ってこないと、さらに難しくなる。でも、このままでは戻ってこれないという話もした。ただただ悲しい。なんとかしたい気持ちがあった中で、ちょっと何て言ったら良いか分からない状況まで追い込まれた。

 ――復帰後の自身のプレーは

 最後の方はまあまあ戻ってきていた。でも、やりたいことがやれない。プレッシャーを感じていた。本来、自分が理想としているサッカーとは遠いサッカーになった。最後に勝ち点1、得失点差に泣いた。それで終わってしまい、自分としては8割くらいしかできなかった。いろんな研究されている。正直、新潟戦(9月13日、闘莉王の復帰戦)に負ければ終わっていた。選手が最後まで付いてきてくれた。でもJ2に落ちている湘南に対して、あの結果で終わった。J2にいっても仕方ないのかなと思う。引き分けすらできなかったのはJ2にいくべきだったのかもしれない。限られた試合、時間の中で結果とほかの結果も気にして難しい状況だったが、一緒に戦った皆には感謝。
 
 ――(GK)楢崎には何か話したか

 昨日食事した。こういう状況になるとは思わなかった。大好きな親父(楢崎)、大丈夫かな。ナラさん(楢崎)からはもう1年戦ってくれと言われていた。こういう状況なるとは思わなかった。考えられない。心が痛い。

 そしてクラブからは一方的にアドバイザリー就任を打診されたことには驚きを通り越し、ショックを隠しきれない様子だった。

 ――名古屋との今後の関わりは

 アドバイザーみたいな話あったが、具体的な話はなかった。選手として必要ないんだな、と感じた。話し合いに誠意があったか?この状況にのまれている。ボスコさんの続投じゃないところから、アドバイザーとか…まだ理解できていない。正直、来年やるかどうかは決めていなかったですよ。でも、ちょっと選択肢を与えて欲しかった。

 ――最後にサポーターに

 サポーターには感謝している。ともに戦った仲間には誇りと感謝がある。今後どうなるかは自分でも決めきれない。ちょっと考えたい。

 悲しみ、失望、怒り、そして無念…。闘莉王の目に涙はなかったが、あまりにも悲しい結末を迎えた。

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2016年11月6日のニュース