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磐田 俊輔獲りへ! 王国復活へ“天才司令塔”に白羽の矢

[ 2016年11月4日 05:30 ]

横浜の中村俊輔

 J1残留を決めた磐田が来季補強の目玉として、横浜の元日本代表MF中村俊輔(38)の獲得に乗り出すことが3日、分かった。3季ぶりのJ1に臨んだチームは8月にトップ下のMF小林祐希(24、現ヘーレンフェイン)を失い失速。最終節まで残留争いに巻き込まれた。来季巻き返しへ、名波浩監督(43)と同じ“天才レフティー”の司令塔に白羽の矢を立てた。一方、名古屋は湘南に1―3で敗れて年間16位となり、1993年のJリーグ発足から初のJ2降格となった。

 最終節での自力残留を決めた磐田が来季補強に向けて水面下で動いていた。最大のターゲットは名波監督と同じ“天才レフティー”と呼ばれ、2度のW杯出場経験を持つ中村の獲得だ。クラブ関係者によれば、この日の残留で、正式オファーに向けて準備を進めることになるという。

 今季の中村は左膝や両足首の負傷などで出場19試合にとどまっているが、唯一無二の精度を誇る左足のキックは健在。4月2日のG大阪戦(吹田S)では約25メートルのスーパーFKを決め、自身の持つJ1歴代最多記録を22得点に更新した。豊富な運動量、戦術眼の高さも随一で、司令塔としてのゲームコントロールも抜群。横浜では6年連続主将を務めるなど、精神的支柱でもある。

 3季ぶりのJ1を戦った磐田は第1ステージこそ8位と健闘。だが、8月に司令塔のMF小林がオランダ1部ヘーレンフェインへ完全移籍すると得点力不足に陥った。第2Sは残留争いに巻き込まれた。降格は免れたものの、小林移籍後にトップ下を務めたMF川辺駿(21)は期限付き移籍元の広島へ復帰が濃厚。クラブ関係者は「来季はトップ下とボランチが補強ポイントになる」と語っており、実績十分の中村に白羽の矢を立てた。

 中村と名波監督は日本代表レフティーコンビとして00年アジア杯優勝に貢献。準々決勝のイラク戦では中村の右FKを名波監督が左足ボレーで合わせるスーパーゴールが生まれた。選手と監督として初対決となった4月16日の対戦では最前線からDFラインまで顔を出す中村を止められず5失点を喫した。ともにファンタジスタの司令塔。横浜の象徴的存在である中村だが、今季は横浜とは単年契約を結んでいる。似たサッカー観を持つ者同士、互いに尊敬し合う仲で、オファーが届けば中村も交渉のテーブルに着く可能性は十分にある。

 現在は左膝負傷から復活途上だが、負傷が癒えれば、6月で39歳となる来季もJ屈指の司令塔として君臨することは間違いない。希代のファンタジスタ獲得を柱に、磐田が王国復活を図る。

 ◆中村 俊輔(なかむら・しゅんすけ)1978年(昭53)6月24日、横浜市生まれの38歳。97年に桐光学園高から横浜入り。02年にセリエAレジーナに期限付き移籍し、翌03年に完全移籍。05年セルティック(スコットランド)、09年エスパニョール(スペイン)移籍を経て10年に横浜復帰。J1通算338試合68得点。日本代表通算98試合24得点。W杯は06年ドイツ大会、10年南アフリカ大会に出場。1メートル78、70キロ。利き足は左。

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