×

第2GKからヒーローへ…年間1位目指す川崎Fを支える新井章太

[ 2016年10月30日 13:15 ]

<鹿島・川崎F>試合後、疲れ切った表情のGK新井(右から2人目)、大久保(左から2人目)ら川崎Fイレブン
Photo By スポニチ

 川崎Fが悲願の初タイトルへ、執念を見せている。第2ステージの優勝は浦和にさらわれたが、一番の目標の年間優勝へ向けて意地の見せ所だ。チャンピオンシップ(CS)で有利に戦うためにも年間1位でレギュラーシーズンを終えたいところ。現在勝ち点1差で2位だが、最終節で奇跡の逆転を呼び込むためにもG大阪に勝つしかない。

 こういうときにヒーローや陰のヒーローが出てきたチームは強い。ここ数試合、その気配を漂わせているのがGK新井章太(27)だ。正GKの鄭成龍(チョン・ソンリョン、31)が右ひざの故障で戦列を離れているが、代わってゴールを守り、2試合連続完封でチームの連勝に貢献した。

 昨年はシーズン途中で西部(現J2清水)からポジションを奪って23試合に出場したが、今季は韓国代表の鄭成龍が加入し、控えに回った。第2GKほどコンディション調整が難しいポジションはない。新井は今季は4月29日のG大阪戦で途中出場しただけだったが、鄭成龍が故障したために9月25日の横浜戦で先発。クロスプレーで脳しんとうと左頬骨骨折の大けがを負って途中退場も、すぐに練習を開始、翌週の神戸戦も出場を志願したが、ここは首脳陣の判断でベンチから外れた。患部の手術を受けずに治すことを選択。フェイスガードを着用する予定だったが「足下が見にくい」と、約10分で外してしまった。対人プレーも恐れず、果敢にボールに飛びついた。

 いい控えGKがいれば、正GKが故障してもチーム力が落ちない。新井は「いつでも準備している。試合に出たい」と、言い続けている。日頃の練習では大久保や小林のシュートを受けているが、「いつもそういう選手と練習しているから」と、自信を見せている。今季出場した4試合は全勝しているのも偶然ではない。まもなく鄭成龍が復帰予定だが、「僕が全部出るつもりで行きます」と、簡単にはポジションを渡さないつもりだ。こういう選手が出てきたチームは強い。(大西 純一)

続きを表示

2016年10月30日のニュース