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浦和 第2SV!それでもまだ通過点 年間勝ち点1位へ一丸

[ 2016年10月30日 05:30 ]

明治安田生命J1第2S第16節 ( 2016年10月29日    エコパ )

<磐田・浦和>年間勝ち点1位へ後押しする横断幕とサポーターをバックに記念撮影する浦和イレブン
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 明治安田生命J1第2ステージ(S)第16節は29日に各地で行われ、浦和がアウェーで磐田を1―0で下し、第2ステージ優勝を決めた。後半27分にMF武藤雄樹(27)が右クロスを頭でねじ込む決勝ゴールを挙げた。J1年間最多勝利数に並ぶ23勝目で、年間勝ち点はクラブ最多を更新する「73」と積み上げた。ミハイロ・ペトロヴィッチ監督(59)の下、信念を貫いてつかんだ栄冠。06年以来10年ぶりの年間勝ち点1位へ弾みをつけた。

 また一つ、浦和が新たな歴史の扉を開いた。試合終了を告げる笛が鳴った瞬間、ペトロヴィッチ監督はスタッフとハイタッチ。選手たちも握手し、笑顔を見せた。10年ぶりの6連勝で上り詰めた第2ステージの頂点。だが、喜びはあえて控えめだった。8000人のサポーターも「WE ARE REDS」の合唱は控えた。ここは年間1位への通過点。「次も必ず勝って勝ち点76を取って、Jリーグの歴史を更新して優勝したい」。指揮官の言葉が全てを物語っていた。

 第2ステージを象徴する90分だった。序盤からボールを保持し、次々と攻撃を繰り出していく。0―0の後半開始前には円陣を組み「前線が絶対に点を取るから後ろはゼロで守る」と意思統一。相手の速攻を封じ、後半27分に駒井の右クロスを武藤がねじ込んだ。我慢して戦局を見極め、勝負どころで一気に叩く攻撃サッカー。「過去の失敗から多くのことを学んでいる」。槙野はルヴァン杯に続くタイトルに胸を張った。

  曲げなかった信念が、強さの根源となっている。前年に残留争いを強いられた12年からクラブは新たな方向へかじを切った。継続的な“レッズ・スタイル”を構築するためペトロヴィッチ監督を迎えた。「パスが3本もつながらない…」。そんな愚痴を指揮官がこぼすほどのスタートから、常にタイトル争いを演じる実力に成長。だが、無冠が続き「外からの圧力は相当なもの」と指揮官は明かす。人気クラブゆえに、内容より結果が求められる。第1ステージ優勝が消滅した中で3連敗した6月のアウェー広島戦後には、一部サポーターがクラブ幹部との話し合いを要求。そんな状況でもクラブ側は「応援してほしい」と訴え、同じ姿勢を貫いた。夏場から調子を上げ、ついにチーム最多を更新する年間23勝目、勝ち点73をマークした。

 第1ステージを制した昨季は、G大阪とのCS準決勝で延長戦の末に散った。「選手の頑張りが報われなかった」。悔しさのあまり、指揮官は落涙した。同じ失敗は繰り返さない。「ここからの一歩一歩が本当に大変。まだ何も決まっていない」と主将の阿部は言う。今の浦和は最強を証明するタイトルに飢えている。

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