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マンC急失速 ポゼッション至上主義の弊害!?5戦勝ちなし

[ 2016年10月25日 10:45 ]

プレミアリーグ第9節 ( 2016年10月23日 )

<マンチェスターC・サウサンプトン>さえない表情のグアルディオラ監督(AP)
Photo By AP

 マンチェスター・シティーが急失速した。今夏にスペイン人の名将ペップ・グアルディオラ新監督(45)が就任し、プレミアリーグで開幕6連勝を飾ったが、23日にホームでサウサンプトンと1―1で引き分けるなど最近3試合は勝ちなし。得失点差で首位はキープしたものの、勝ち点20でアーセナルとリバプールに並ばれた。サウサンプトンの日本代表DF吉田麻也(28)はベンチで出番がなかった。

 危機感の表れだった。試合後にグアルディオラ監督は選手と50分間も控室にこもった。会見で理由を聞かれると「おいしい赤ワインを飲んでいたのさ」とジョークを飛ばした後「選手と現状について話し合った」と緊急ミーティングを行ったことを明かした。

 開幕から公式戦10連勝と最高のスタートを切った後、最近5試合は3分け2敗と急に勝てなくなった。バルセロナで2度欧州CLを制した名将にとって公式戦5戦未勝利は、監督1年目の09年2~3月以来キャリア2度目の屈辱。「10連勝の後、5試合勝てなかった理由を探さなくてはならない」と語ったが、英メディアは指揮官が固執する“ポゼッション至上主義”の弊害を指摘した。

 デーリー・ミラー紙が「シティーがまたも監督のスタイルで墓穴を掘った」とクローズアップしたのは、前半27分の失点シーンだった。自陣でパスをつなごうとした際に、相手のプレスを受けDFストーンズがバックパス。DFコンパニーと呼吸が合わずに相手MFレドモンドへの“プレゼントパス”となり、そのまま先制点を奪われた。

 グアルディオラ監督が7月に就任会見で目標に掲げたのが「美しいサッカー」。バルセロナ、バイエルンM時代と同様に「できるだけ長くボールを保持し、できるだけ多くチャンスをつくる」という攻撃的スタイルだ。GK、DFにも徹底して自陣からパスをつなぐことを求めるが、そこを相手に研究され狙われている。レドモンドは「事前にビデオを見て相手守備陣がチャンスをくれるのは分かっていた。狙い通りだった」と明かした。

 19日の欧州CLでは古巣バルセロナに0―4と大敗。足元の技術を買って今夏バルセロナから引き抜いたチリ代表GKブラボがパスミスを犯し、直後に相手シュートをペナルティーエリア外で手で防いで一発退場となったことが響いた。地元メディアからは批判を浴びたが、指揮官は21日の会見で「私はこのやり方で7年で21のタイトルを獲った。スタイルを変えるくらいなら国に帰る。新しいものを築くには時間がかかる」とあくまで自分のサッカー哲学を貫くことを宣言。理想と現実の間で、名将がどういう解決策を見いだすのか注目だ。

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2016年10月25日のニュース