まるでファン感謝デー…驚かされたオーストラリア代表の和やかさ

[ 2016年10月19日 10:15 ]

ファンにサインをするオーストラリア代表のカーヒル
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 同じスポーツなのに、同じ代表という格付けなのに、びっくりしてしまうような差があることが面白かった。W杯アジア最終予選オーストラリア―日本戦(11日)の2日前。場所はメルボルン市内の中心部から南に約4キロ下った、湖畔のレイクサイドスタジアム。この日はオーストラリア代表が始めに、続いて日本代表が練習を行うことになっていた。

 午後2時からオーストラリア代表のファンアクティビティーが行われると聞いていたが、選手が来ない。手持ち無沙汰なのか、着ぐるみのカンガルーは同じ場所を何度もうろついている。関係者らしくない人がマイクを握り、集まった観客席のファンをあおり出す。ファンアクティビティータイムは終わり、練習開始予定の3時を20分ほど過ぎて、代表はようやくピッチに姿を現した。

 それでもオーストラリアのファンは誰も怒ってなんかいない。小さな顔いっぱいに代表カラーの緑と黄色のペイントを施した子供たちは、きゃっきゃと跳ね回っている。いざ練習が始まると、ファンにはプレゼントが配られ始めた。まずは約1メートル四方の特大フラッグ。続いてサイン入りポスター。さらにはサッカーボール。サインをもらう用の小さなボールもあった。極めつけは子供用のリュックまで。

 観客席の端で練習を見ていた私たち日本のメディアにまで、お姉さんがグッズを配り歩いてくれる。敵ながら思わずフラッグを振ってみてしまう。練習が終わると、ファンアクティビティーがなかったことなんて忘れてしまうほどのサプライズも待っていた。選手がボールにサインを書き込み、観客席に向かって投げてくれるのだ。一人何球も。観客席のファンと選手全員が記念撮影をするなんて時間もあった。非公開練習で報道もシャットアウトした日本とは対照的に、まるで「ファン感謝デー」のような和やかさだった。

 ちなみにこの日の午前中、オーストラリア代表には取材でも驚かされた。代表選手2人のメディア対応が「Enterprize Park」とであると聞いて行ってみたが、会見場らしき設備は何もない。川沿いの開けた板張りの空間に選手がふらりとやってきて、川と高層ビルを背景に取材が始まった。日本で例えるならば横浜の大桟橋のデッキのような場所か。ドラマ撮影のようなスタイルで斬新だった。この先も機会があれば、対戦国のサッカー文化をたくさん感じてみたい。(波多野 詩菜)

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