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ハリル監督キレた 批判的質問にイラッ!通訳終わる前に退席

[ 2016年10月11日 05:30 ]

前日会見終了前に席を立つハリルホジッチ監督(左端)
Photo By スポニチ

 ハリルがキレた!日本代表は11日、W杯アジア最終予選のオーストラリア戦を戦う。前日会見に臨んだバヒド・ハリルホジッチ監督(64)は日本代表への批判、負傷者続出の現状に対する質問の連続にイラ立ちを隠せず、最後は怒りをあらわにして退席した。内容次第で自身の進退が懸かる大一番。W杯予選では過去4分け2敗と勝っていない難敵に対し、怒りをパワーに変えることができるか――。

 まるで捨てゼリフだ。会見の最後。ハリルホジッチ監督は司会者をさえぎり、まくし立てた。次の瞬間、通訳が訳しているのもお構いなしに席を立ち、ひな壇から降りてしまった。憤然とした表情の指揮官。ざわめく会見場。ハリル監督の背中から怒りがあふれ出ていた。

 先月1日のUAE戦に敗れて以降、試合ごとに進退問題が浮上している。その状況下で1年間の成果を尋ねられ、プツンと切れた。「1年前にこういう状況が分かっていれば…。こういう状況とは海外組15人中12人が試合に出られないこと。全員プレーしている選手を選ばないといけないとは話してましたから…」。そこで会見をやめ、立ち去った。チームとして成長していないことを認めた形。海外組の現状、他の選手たちの伸び悩みへの失望を隠さなかった。

 さらに今回は長友、武藤らの相次ぐ負傷が追い打ちをかけた。イライラは募るばかりだ。指揮官は「メディアの皆がいう言い訳はしない。選手はしっかり準備している」。返答には嫌みが込められていた。

 伏線もあった。オーストラリアの記者から日本代表が批判を受けているようだが?と問われると顔色を変えた。「試合に勝っても批判される。ただ批判は誇りを持って受け止めている。この質問も皮肉にしか聞こえないが…。勝っても喜びが少ない人には“ごめんなさい”。何人かはまだ日本が一番強いと思っているが、そうじゃない」。最後は開き直っていた。

 嫌み、皮肉の応酬となった公式会見。それは指揮官を取り巻く環境の厳しさを物語る。最終予選は2勝1敗の苦しいスタートで、今回も負ければ解任の危機にあることに変わりはない。ハリルホジッチ監督は選手に「この試合でW杯に行ける、行けないを左右するつもりで戦え」と語気を強めたという。それは自分に向けた言葉でもある。

 前日練習では本田の1トップ、いまだ出場のない丸山のセンターバックなど奇策も試した。会見で見せた「怒り」をパワーに変え、難敵オーストラリアを撃破できるか。崖っ縁の戦いは大きな局面を迎える。

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2016年10月11日のニュース