×

ハリルJ非常事態…酒井宏に続き長友離脱で戦力ダウン必至

[ 2016年10月8日 05:30 ]

練習中、槙野と接触して負傷した長友(左)
Photo By スポニチ

 日本代表はイラク戦の劇的勝利から一夜明けた7日、W杯アジア最終予選第4戦オーストラリア戦(11日、メルボルン)に向け埼玉県内で練習を行った。DF長友佑都(30=インテル・ミラノ)が接触プレーで頭を強打。都内の病院で検査を受けた結果、脳振とうと診断されて離脱が決まった。次戦はDF酒井宏樹(26=マルセイユ)が出場停止。主力サイドバック2人を欠く非常事態となった。チームは夜にメルボルンへ出発。B組は6日に行われた予選の結果、首位オーストラリアから4位日本まで勝ち点1差でひしめく大混戦となっている。 日本代表メンバー  W杯アジア最終予選

 劇勝の翌日、歓喜が吹き飛ぶアクシデントが待ち受けていた。12人を3組に分けた、ボール回し。長友が槙野からボールを奪おうと、スライディングを仕掛けた。立ち上がろうとした瞬間、覆いかぶさるように倒れてきた槙野の体が頭を直撃。その場に倒れ込み、しばらく動けない。心配したハリルホジッチ監督が駆け寄ると、何とか自力で立ち上がった。一度は練習に戻ろうとしたが、メディカルスタッフとの話し合いの末に断念。練習を途中で切り上げ「大丈夫です」とだけ言い残して病院に向かった。

 診断は脳振とう。国際サッカー連盟や日本サッカー協会の規定では、脳振とうを起こした場合には試合復帰までに最短でも6日間を要さなければならない。オーストラリア戦には間に合わず、霜田ナショナルチームダイレクターは「6日間で段階的に回復させないといけないルールがある。本人はどこも痛くないし、意識もしっかりしているので、非常に残念がっていた。追加招集はせず今いるメンバーで戦う」と説明した。

 長友は6日のイラク戦は出番なし。所属クラブのリーグ戦との兼ね合いで試合2日前のチーム合流となったため、疲労を考慮されていた。オーストラリア戦は右サイドバックの酒井宏が出場停止。イラク戦で左サイドバックに入った酒井高を右に回し、長友は左サイドでの先発が確実視されていた。代役候補には槙野、太田が挙がるが、国際Aマッチでの槙野の左サイドバック経験は途中出場した6月7日のボスニア・ヘルツェゴビナ戦のみ。太田も15年8月5日の韓国戦以来、先発から遠ざかる。大幅な戦力ダウンは必至だ。

 解任危機に直面するハリルホジッチ監督はFIFAランク128位の格下イラクに辛勝し、首の皮一枚つながったが、オーストラリア戦も進退を懸けた一戦であることに変わりはない。9月は長友、槙野、今回は宇佐美、武藤をケガで招集できておらず、負のスパイラルは止まらない。6大会連続のW杯出場へいばらの道が続く。

続きを表示

この記事のフォト

2016年10月8日のニュース