国内で磨かれる選手もいる…なでしこ高倉監督が考える海外挑戦の意義

[ 2016年10月1日 10:00 ]

なでしこジャパンの高倉麻子監督
Photo By スポニチ

 なでしこたちは海外挑戦するべきか。その答えにも、なでしこジャパンの高倉麻子監督(48)の思慮深さがうかがえた。28日に都内で行われたトークイベントの質疑応答の一幕で、さすがの考えを披露した。

 かつて技術、精神面の両方を鍛える“武者修行”の意味合いで海を渡ったが、その状況は変わったという。「(海外で)人間的に成長できる部分はある。でも今は日本のサッカーのスタイルは(他国と)違って、世界の中でも一つ確立したものがある」。11年W杯ドイツ大会で初優勝。12年ロンドン五輪銀メダル、15年W杯カナダ大会準優勝など多くの殻を破ったなでしこには、独自のスタイルが芽生え始めていると指摘する。

 日本女子サッカーが誇る技術と連係は、環境を変えただけでは身につかない。「(海外で)ボールが蹴り込まれたサッカーをやっていく中で、自分のところにゴールが来ない。それでテクニック、状況判断が上がってこなければ、もったいない。国内でもっと磨かれないといけない選手もいる」と言う。高倉ジャパンには、なでしこ2部リーグから発掘されたDF高木ひかり(ノジマステラ神奈川相模原)、MF千葉園子(ASハリマ)らがいる。国内リーグでも十分、世界に通用する選手は育つ。「(国内に)海外に行ってみたい選手は数多くいる」と把握している指揮官だが、目的意識のない無謀な挑戦には警鐘を鳴らした。

 メンタル強化なのか、フィジカルやスピードなど国際基準を体感することなのか。何のために海を渡るかを明確にすることが、選手の成長につながる。「周りにいる監督、コーチを含めて相談した上で、どの時期にどの国、どのチームに行くか選ばないと。(海外に)行ったことで失敗してしまうことが起きないように注意しながら背中を押してあげたい」。指揮官は独自の考えを示した。

 19年W杯フランス大会まで3年。20年東京五輪まで4年。そこに向けて「まず個があって、そこからチームにしていくことが大事」と言う。強烈な個性をつくる選択肢として欠かせない海外挑戦。そこにも“高倉流”の細かな考えがあった。(大和 弘明)

続きを表示

「サッカーコラム」特集記事

「コパ・アメリカ(南米選手権)」特集記事

2016年10月1日のニュース