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U16 準決勝はイラク戦、久保「スタートライン立っただけ」

[ 2016年9月27日 05:30 ]

<日本・UAE>瀬戸(左)の先制ゴールに喜ぶU―16日本代表の久保(アフロ)

 U―16アジア選手権の準々決勝が25日にインドのゴアで行われ、日本はUAEに1―0で勝ち、上位4カ国に与えられる17年8月開幕のU―17W杯インド大会の出場権を2大会ぶりに獲得した。日本は前半31分、FW久保建英(15=FC東京U―18)の右CKからのこぼれ球を、DF瀬古歩夢(16=C大阪U―18)が決勝点を決めた。準決勝は29日に行われイラクと対戦する。

 世界への扉を開いた。0―0の前半30分、久保が左足で蹴った高い弾道の右CKは緩やかなカーブを描き、相手ゴールへと向かった。飛び込んだ日本選手と重なった相手GKは一瞬ボールを見失いファンブル。そのこぼれ球を瀬古が右足で押し込んだ。U―17W杯出場を決める得点を演出したのはバルセロナ下部組織出身の15歳。「スタートラインに立っただけだけど、最初の目標を達成できたのはうれしい」と素直に喜びを表現した。

 生みの苦しみを味わった。1次リーグ3試合は21得点無失点で勝ち上がった。しかし、この試合はそれまでの決定力が鳴りを潜めた。A代表が15年のアジア杯準々決勝、そして、9月に行われたW杯アジア最終予選初戦でも苦杯をなめさせられたUAE。それでも、“弟分”は苦しみながらもキッチリ結果を出した。森山監督は「苦しい展開になったが、1―0だからこその価値ある勝利」と選手を称えた。

 柔らかいタッチのドリブル突破で何度もチャンスをつくった久保に代表されるように、この世代は育成世代の不振脱却の切り札と見込まれている。久保と同様にトップチームで出場できる2種登録を済ませたMF平川(FC東京U―18)ら粒ぞろい。木村技術委員はA代表で活躍した選手の名前を挙げ「久保は中村(横浜)、瀬古は松田(直樹)の再来と思える」と高く評価した。

 素材を生かすための取り組みも実った。日本協会は所属先の指導者を定期的に集めて海外遠征での課題を共有。日頃から世界を見据えた指導を呼び掛けた。中田浩二氏ら代表経験者を招き、世界と戦う気構えを植え付けるなど精神面の強化も苦しい展開で生きた。得点した瀬古は「アジア王者になって日本の強さを見せつけたい。W杯でも暴れたい」。次は04年以来、6大会ぶりの優勝を目指す。

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2016年9月27日のニュース