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1部初昇格ライプチヒ旋風も…“商業主義”に批判、他サポ座り込みまで

[ 2016年9月27日 11:00 ]

今季1部に昇格したライプチヒは開幕から無敗を守り7位と健闘している(AP)

 嫌われ者の歩みが止まらない。ブンデスリーガ第5節の2試合が25日に行われ、1部に初昇格したRBライプチヒはアウェーでケルンと1―1で引き分け。開幕から無敗をキープし、7位と健闘している。09年に創設された新興クラブの実質的な親会社は、オーストリアの飲料メーカー「レッドブル」。豊富な資金力を背景に、5部からわずか7年でスピード昇格を果たした。だが、基本的に企業が前面に出ることを認めていないブンデスリーガにあって、商業主義が強いクラブ運営には伝統的なクラブのサポーターを中心に反発が広がっている。

【ブンデスリーガ順位表】

 “成金新興クラブ”に対する反感は、一部ファンの過激な行動につながった。ライプチヒの“商業主義”に抗議するため、ケルンのサポーター約100人がスタジアム外の道路に座り込みを敢行。ライプチヒのバスは別ルートでの会場入りを余儀なくされ、ハーゼンヒュットル監督は「トラブルで到着が遅れた。プロとして準備するために時間が必要」と主張。試合開始が15分遅れることになったが、好調ケルンを相手に勝ち点1を得た。

 英紙ガーディアンは8日付の記事で「ライプチヒはドイツで最も嫌われたクラブ」と表現。「ドルトムントも金を稼ぐが、サッカーのため。でもライプチヒは商品を売るためにサッカーをしている」とドルトムント・サポーターの声を紹介した。ライプチヒはオーストリアの飲料メーカー、レッドブルが09年に5部マルクランシュタットを買収して誕生。F1チームも持つオーストリアの会社が“宣伝のためにドイツサッカーを利用している”という見方が、ファンの強い反発につながっているようだ。

 “商業主義”と批判される一例がクラブ名だ。RBはレッドブルの略ではなく「Rasen Ballsport(芝生の球技)」の略。クラブ名に企業名を付けることを禁じるリーグ規定をかわすために、ドイツ語で本来ならテニスに使われる用語を、レッドブルが連想されるチーム名として採用したわけだ。

 5部から7年というスピード昇格が実現したのは資金力に加え、12年から強化を担当するスポーツディレクター(SD)のラングニク氏の存在も大きい。シャルケなどを率いた経験を持ち「教授」と呼ばれる理論派は「基本的に24歳以上の選手は獲得しない」と今夏に総額5000万ユーロ(約57億円)とされる移籍金を有望な若手獲得に集中投資。前半5分に先制点を挙げた19歳のスコットランド代表MFバーク(移籍金1500万ユーロ=約17億円)もその一人で、ケルン戦の出場メンバーは平均23.3歳だった。

 「おそらくリーグで最も若いチーム。目標は残留争いをしないこと」とラングニクSDは語っていたが、第2節に昨季2位ドルトムントを破るなど無敗で奮闘。批判やブーイングにひるまず、若く伸びしろのあるタレント軍団が躍動している。

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2016年9月27日のニュース