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長崎FW永井“覚醒”の理由…4年半3得点の男、新天地でゴール量産

[ 2016年9月13日 10:30 ]

11日のC大阪との試合後、山口(右)とユニホームを交換する長崎FW永井

 意識が変われば、プレーは変わる。それを具体的な数字で証明しているのが、J2長崎に所属するFW永井龍(25)だ。昨季まで約4年半にわたって在籍したC大阪でリーグ通算3得点だったのに対し、今季から加入した長崎では、第31節を終えた時点で14得点。J2の得点ランキングで3位と、堂々の数字を残している。

 育成組織から育ったC大阪にいた頃は、持っている能力は高いのに、どうしても勝負弱いイメージだった。14年シーズン後半にはペッツァイオリ監督の解任に伴って就任した大熊裕司監督のもと、9月以降にスタメンに定着。元ウルグアイ代表FWフォルランを差し置いて先発出場を続けながら、チームのJ2降格を止めることはできなかった。それが、新天地で結果を残せるストライカーに生まれ変わった。

 何が変わったのか。本人に聞くと、シンプルな答えが返ってきた。「1番、でかいのは気持ちですね。セレッソにいた頃は、周りにスタープレーヤーがたくさんいて、それに食らいついていく感じだった。でも、ここだと自分が何かをしないといけない。いろんなことを任されて、成長できているのかな」。キャンプから定位置を確保。今まで以上に実戦機会をつかみ、試合中の落ち着きを得られたことも大きかったという。

 11日にはC大阪と対戦し、かつてホームとして戦ったキンチョウスタジアムに帰ってきた。得点を奪えず0―2で敗れ「1番勝ちたかった相手に勝てず悔しい」と話した上で「ここにいたんやな」と感慨深い気持ちにもなった。試合後、C大阪のゴール裏からはユース時代から使われていた「バモス永井」のチャントが流れ、取材エリアでは古巣の番記者に囲まれる永井の姿があった。J2降格した14年の終盤戦、試合を重ねるたびに追い込まれていく中で、それでもメディアやサポーターに真摯に向き合っていた彼の人柄を表すシーンだったと思う。

 今後の目標のひとつが、残り6得点に迫った20得点だという。「まずはチームが勝たないと意味がない。(そのために)FWは分かりやすく点を取らないといけない。20点、いきたいですね」。プロ7年目。長崎のエースとして戦う背番号9を、古巣のサポーターも応援している。(西海 康平)

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2016年9月13日のニュース