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隼磨 復帰戦の感動で眠れず「サッカー人生で思い出に残った日」

[ 2016年9月13日 08:45 ]

練習中に笑顔を見せる松本DF田中隼磨。右はMF岩間雄大

 11日のホーム京都戦で6月4日の北九州戦以来、約100日ぶりに実戦復帰したJ2松本のDF田中隼磨(34)。同8日に右目網膜剥離の手術を受け、7日にチームに完全合流したばかりで、練習試合を経ずの先発だったが、フル出場で2―0の勝利に貢献した。一夜明けた12日、「(11日は)サッカー人生の中でも思い出に残った日」と、あふれ出る思いを口にした。

【J2順位表】

 表情は明るかった。この日はかりがねサッカー場でのリカバー(回復)トレーニングに参加。真剣な表情で取り組む中で、時折笑顔も見せた。「昨日(11日)はなかなか眠れなかった」と苦笑いした田中は「あれだけの声援をもらえるのは幸せ。このチームに移籍した時や新人の時のような気持ちになれた」。割れんばかりの声援を浴びた京都戦を振り返った。

 北九州戦以来15試合ぶりとなるリーグ戦は定位置の右ウイングバックで先発。「ぶっつけ本番だったが、監督は俺のことを信じてくれた。不安はなかった」と、離脱前と変わらぬ積極性を攻守で発揮した。試合終了間際に「体は限界だった」としながらも、「経験と気持ちでカバーした」と足は止まらず。勝利が決まると、天を仰ぎながらガッツポーズし、去り際には「感謝を伝えたかった」とユニホームを客席に投げ入れた。

 “らしく”勝てたことも喜び倍増の要因だ。3日のJFL・Honda FCとの天皇杯2回戦は覇気なく敗戦。しかし、京都戦は気迫あふれる本来の躍動感を取り戻し、昇格争いのライバルを寄せ付けなかった。一晩たち田中は「90分間、山雅らしい戦いができた。自信につながるし、ああいう試合ができれば俺たちは負けない」と胸を張った。

 華々しい復帰劇だったが、背番号3の今季の目標はあくまでも「J1昇格」だ。「今は2位だが、まだ優勝も目指している」と語気を強め、「いい流れを自分たちのものにするため、俺たちは勝ち続けないといけない」。さらに、「(離脱中)サポーターやクラブからの愛情を本当に感じた。ただ戻るのではダメ。勝ち続けて、戦う姿を見せることで応えていきたい」。選手生命の危機からはい上がった大黒柱は、全ての“山雅ファミリー”に恩返しの白星を積み上げていく。

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2016年9月13日のニュース