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入ってるだろ!浅野幻弾…ハリルJAPAN判定負け W杯0%発進

[ 2016年9月2日 05:30 ]

<日本・UAE>後半32分、浅野がシュートを放ち、ゴールラインを越えたかに見えたがノーゴールの判定に手を上げアピールするも…

W杯アジア最終予選B組 日本1―2UAE

(9月1日 埼玉)
 誤審に泣いた。6大会連続の出場を目指す日本は埼玉スタジアムでUAEに1―2で競り負けた。FW本田圭佑(30=ACミラン)が前半11分に先制点を挙げたが、微妙な判定が続いて痛恨の逆転負け。1―2の後半32分にはFW浅野拓磨(21=シュツットガルト)のシュートがゴールラインを割ったが、認められなかった。86年W杯以降、最終予選初戦で敗れて本大会出場を果たしたアジアのチームはなく、次戦6日のタイ戦の結果次第でバヒド・ハリルホジッチ監督(64)の進退問 題に発展する可能性も出てきた。

 異様な光景だった。後半22分、ハリルホジッチ監督は敵陣ペナルティーエリア内で宇佐美が倒されたプレーでPK判定が見送られると、ピッチ内に入り込み猛抗議。注意するために駆け寄った主審とにらみ合い、不満をぶちまけた。「相手はエリア内で笛を吹いてもらい、我々も吹いてもらえる状況だった。残念」。審判団はUAEの隣国カタール人が務め、6大会連続のW杯出場を懸けたアジア最終予選の初戦で“中東の笛”に泣いた。

 微妙な判定のオンパレードだった。前半18分に吉田と並走したマブフートが足を滑らして転倒すると反則のジャッジ。直後のFKを決められて失点し、後半9分には大島がハマディとの接触プレーでPKを取られて失点した。極めつきは後半32分、浅野のシュートはゴールラインを割ったが、ノーゴールの判定。指揮官は「普通はゴールラインを割ったらゴールになる」と皮肉たっぷり。ゴール判定を補助する機器、ゴールラインテクノロジーが今回のW杯予選で採用されていればゴールと認められていたはずで、吉田は「判定に関しては不思議なことだらけだった」と首をひねった。

 判定に泣いたとはいえ、日本の出来も悪かった。事前合宿は8月28日からで本格的な練習ができたのは30、31の2日間だけ。政府がW杯出場を後押しして2カ月に及ぶ長期合宿を張ったUAEとは対照的で、球際の戦いで劣勢に回るシーンも目立った。ボール支配率62・8%、シュート数22対9と内容で上回りながら敗れたのは15年アジア杯準々決勝での対戦と同じ。ハリルホジッチ監督は「何人かの選手はフィジカルコンディションが良くなかった。なぜ、その選手を選んでしまったのか私も疑問。UAEは勝利に値した。責任は監督にある」とミスを認めた。

 86年W杯以降、アジア最終予選の初戦で敗れたチームがW杯本大会切符を獲得したことはない。データ的には予選突破の確率は0%。指揮官は試合後、ベンチに座ったまま、しばらく動けなかった。落ち込む間もなく、6日には敵地でタイ戦が待つ。日本協会の田嶋会長は「最終予選は残り9試合。負けが初戦で良かった。監督を信じてサポートしていかないといけない」と語ったが、連敗発進となれば進退問題に発展する可能性もある。ハリルホジッチ監督は「今夜の日本代表は本来の姿ではない。タイ戦はより強い気持ちで勝利を探しにいく」と必死に前を向いたが、あまりにも重い黒星となった。

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