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必要なのは試合経験 Jリーグ、東京五輪世代強化へ思い切った改革を

[ 2016年8月27日 11:25 ]

リオ五輪サッカー日本代表(AP)

 リオ五輪でのメダルラッシュは東京五輪での雪辱に燃える日本サッカー界にも火をつけた。Jリーグでは、20年東京五輪に向けて「4カ年計画」の導入を検討している。村井満チェアマン(57)は「17年ならU―20、18年ならU―21…とターゲットを決めて東京五輪世代の出場機会を確保したい。新たなレギュレーションをつくるのか、いろいろな方法があると思う。技術委員会などで議論していきたい」と語った。

 現状では新たな大会創設は難しい。Jリーグ、ルヴァン杯、天皇杯といった既存の大会に東京五輪世代の出場枠を設定するか、または東京世代の単独チームをつくるのが現実的な路線だろう。当然、大会スポンサーの意向、各クラブの考えはさまざまで、それらを無視できないが、仮に各クラブ1枠でも“特別出場枠”があれば、J1、J2を合わせれば40人の出場機会が確保できる。

 村井チェアマンはリオ五輪の第3戦を現地で視察した。スウェーデンに1―0と意地の勝利を飾ったものの、1次リーグ敗退の事実は動かせなかった。一緒に視察した原副理事長とともにしばらく動けず、しゃがみこんでしまい、すぐに今後の強化策の必要性についてミーティングしたという。

 「あの舞台でゲームをコントロールするには一定の経験が必要。オーバーエージに頼るだけでなくもう一段、強化を加速させる必要がある」という結論に達した。今季もFC東京、G大阪、C大阪のU―23チームがJ3に参戦、23歳以下の選手に関してはJリーグのクラブ間の移籍期間を自由化するなど緩和しているが、もう1段、加速させる必要性を痛感した。

 女子ダブルスで史上初の金メダル、女子シングルスで初の銅メダルに輝いたバドミントン界ではジュニア世代の大会を創設することで試合機会を増やした。さらに韓国人監督を招へい、企業(所属先)の垣根を越え、代表単位での強化が実現できる環境も整えたという。世界で勝つためには大胆な改革も必要。「4カ年計画」では思い切ったかじ取りが不可欠だ。(記者コラム)

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2016年8月27日のニュース