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2点差を追いついた日本、それでも「2―0で勝てた試合だった」

[ 2016年8月8日 14:53 ]

<日本・コロンビア>オウンゴールの判定に不服そうな表情を浮かべるDF植田

リオ五輪男子サッカー・1次リーグB組 日本2―2コロンビア

(8月7日 マナウス)
 リオデジャネイロ五輪のサッカー男子は7日(日本時間8日)、1次リーグ第2戦が行われ、初戦を落としたB組の日本はコロンビアと2―2で引き分け。通算1分け1敗の勝ち点1で決勝トーナメント進出へ望みをつないだ。

 大島、南野の途中出場をきっかけに、2点差を追いついてドローに持ち込んだ日本。だが、スポニチ本紙評論家の川本治氏(64)は「あの2人を使って0―2から追いついたから良かったという試合ではない。逆に2―0で勝てた試合だった」と厳しく指摘した。

 日本は4―5で敗れた4日(同5日)のナイジェリア戦から先発4人を代え、GK中村や最年少の19歳MF井手口が初先発。ナイジェリア戦でゴールした南野と2アシストした大島の両MFをベンチに回した。だが、大島の代わりにボランチに入った井手口が役割を果たせず、後半14分には相手エースのグティエレスに簡単に入れ替わられて先制を許す苦しい展開となった。

 「先発メンバーを変えたのはいい。だが、負けが許されない試合でなぜ井手口なのか?」と川本氏。「井手口は今季のG大阪で途中出場が多い。だが、大島は優勝争いをしている川崎Fでバリバリのレギュラー選手。計算できる選手を使うのが順当で、井手口に何を期待したのか分からない。相手のキーマンに対して、ゴール前のあの位置で前を向かせて前に行かれるなんて、あのポジションの選手がしてはいけない」と手倉森監督の采配と井手口のプレーを疑問視した。

 後半17分に大島と南野が途中投入され、同22分に大島のスルーパスを南野が絶妙なターンでつないだところから1点差となる浅野のゴールが生まれ、中島の同点弾につながった。「大島と南野が仕事をしてくれて勝ち点1が取れたが、井手口の軽率なプレーがなければあの先制点はなかった。あの失点がなければ、試合展開は違った」と悔やんだ。

 ◇川本 治(かわもと・おさむ)1952年(昭27)5月1日、北海道釧路市生まれの64歳。室蘭清水ヶ丘高校2年までGKを務め、中央大進学後以降はFWに転向。古河電工(現J2千葉)では9シーズンに渡ってプレーし、引退後はコーチ、監督、強化部長など要職を歴任した。現在は日本代表戦のほか、カテゴリーを問わずスタジアムに数多く足を運び、誠実な人柄で選手や関係者からの信頼も厚い。

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2016年8月8日のニュース