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手倉森ジャパン ブラジルに0―2“スコア以上”の完敗…

[ 2016年8月1日 05:30 ]

ネイマール(左から3人目)の攻撃を止めようとする(左から)遠藤、(2人おいて)原川、植田、中村

 リオデジャネイロ五輪に出場するサッカー男子日本代表は30日(日本時間31日)、ブラジル中部のゴイアニアでブラジル代表と本大会前最後の強化試合を行い0―2で敗れた。優勝候補筆頭の開催国を相手につくった決定機はわずかに1度で、スコア以上の差を見せられ完敗。68年のメキシコ五輪以来、48年ぶりのメダル獲得を目指す手倉森ジャパンに暗雲が立ちこめた。チームは試合後、1次リーグ初戦のナイジェリア戦が行われるマナウスへと移動した。

【試合結果 リオ五輪日本代表メンバー 1次リーグB組】

 完膚なきまでに叩きのめされた。前半は自陣に押し込められ、放ったシュートは0。後半は相手が手を緩めたこともあり、チャンスもつくったが、決定機は後半9分に相手のミスからボールを奪いMF中島が相手GKと1対1になった場面だけ。手倉森監督は「本大会を耐えて勝つというイメージを持った中で、90分間辛抱させられた。本大会もきれいに勝てるわけがない。(耐える心構えが)整って本大会に入れると思う」とあくまでも前向きに話したがピッチ内の選手は違った。

 観衆は3万人を超え、黄色に染まったスタジアム。完全アウェーの中、埋められない差を感じた。中島は「全然(ダメ)ですね。(手応えは)全く(ない)。ブラジルが凄かったのもあるけど、自分にも問題があった」とメダル獲得を目標に掲げた上で、自身を含めた現在のチームの立ち位置に落胆を隠そうともしなかった。

 中島、DF岩波、植田らは5年前、U―17W杯準々決勝でブラジルに2―3で惜敗。リベンジを期していたが、岩波は「あの時は戦えるかなと思ったけど、きょうはシュートも少なかったし…」。むしろ差は広がった。スタンドで観戦した霜田技術委員も「根本的なところで、差が出た。ミスを待っているだけじゃボールは取れない」とバッサリと切った。

 それでも下を向いている暇はない。1次リーグ初戦のナイジェリア戦は5日後に迫っている。指揮官は「個人の成長はこの短時間では望めない。組織の精度を高める意識を高めないと。日本の強みは献身的なところ。それを信じてやり続けるしかない」。試合後にはチャーター機で決戦の地、マナウスに入った。失った自信は練習で回復させるしかない。

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