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ポルトガル初V!Cロナ 負傷交代に泣くも“監督”として歓喜

[ 2016年7月12日 05:30 ]

優勝杯を掲げ喜びを爆発させるポルトガル代表C・ロナウド(中央)(AP)

欧州選手権決勝 ポルトガル1―0フランス

(7月10日 サンドニ)
 ポルトガルが延長の末に1―0で開催国フランスを破り初優勝。W杯を含めた主要国際大会初制覇を果たした。エースのFWクリスティアーノ・ロナウド(31=Rマドリード)が前半25分に負傷交代。0―0のまま迎えた延長後半4分、途中出場のFWエデル(28=リール)が今大会初ゴールとなる決勝点を決めた。フランスは今大会6ゴールで得点王となったFWアントワヌ・グリエズマン(25=Aマドリード)が不発に終わり、4大会ぶり3度目の優勝を逃した。
【試合結果 決勝T】

 痛む左足を引きずりながら、C・ロナウドは表彰台に立った。主将として最初にトロフィーを掲げて歓喜の雄叫び。「サッカー人生で最高にハッピーな瞬間の一つ。04年からずっと待っていた。代表で優勝する夢がやっとかなった」。04年大会決勝でギリシャに敗れ、号泣した悔しさを13年越しに晴らした。世界最優秀選手選出と欧州CL制覇はいずれも3度。個人とクラブで栄誉を極めてきたキャリアに初めて代表での勲章が加わった。

 その2時間前には悔し涙を流していた。前半8分に相手MFパイエの膝打ちで左膝を負傷。2度治療を受けてピッチに戻ったが、同25分に無念の交代となった。泣きながら担架でピッチを去ったが、1時間半後に“闘将”として戻ってきた。

 後半終了直後にベンチ前に現れると、選手全員に声をかけて気合を注入。後半34分から途中出場したFWエデルには「おまえが決勝点を決めるぞ」と励ました。その“予言”は延長後半4分に的中。今大会無得点の背番号9が約25メートルのミドル弾を左隅に突き刺した。ゴールの喜びに目を潤ませたロナウドはピッチ脇で必死にチームを鼓舞。身ぶり手ぶりで指示する姿はまるで監督だった。

 かつて「ワンマン」「エゴイスト」と批判を受けた孤高のスターが、リーダーに成長した姿を披露。サントス監督は「素晴らしいチームスピリットを見せてくれた。ロッカールームでもチームを助けてくれた」と絶賛した。ピッチ上でも、決勝以外はフルタイム出場でチームをけん引した。

 準決勝ウェールズ戦で1得点1アシストを挙げるなどチーム最多タイの3得点。史上初の4大会連続得点、大会最多タイの9得点、大会最多21試合出場なども樹立した。ともにポルトガル代表最多の132試合出場、61得点を誇る絶対エースは「歴史をつくれた。チームメート、監督、応援してくれたポルトガルの人々に感謝したい」。記憶にも記録にも残る“ロナウドの大会”となった。

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