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FC東京・室屋 零封J1デビュー「ファイトしようと思った」

[ 2016年7月10日 05:30 ]

<FC東京・甲府>完封デビューだ!前半、シュートを放つFC東京・室屋

明治安田生命J1第2S第2節 FC東京1―0甲府

(7月9日 味スタ)
 FC東京はホームで甲府と対戦して1―0で競り勝った。左足第5中足骨骨折から復活したリオデジャネイロ五輪代表DF室屋成(22)が先発でJ1デビュー。前半6分に果敢な攻撃参加から右CKを奪い、そのCKを日本代表DF森重真人(29)が頭で決めた。

 FC東京の室屋がいきなり見せた。前半6分、敵陣のゴールラインを割りそうだったボールに必死に食らいついてCKを奪取。その右CKから森重のゴールが生まれた。「思ったより緊張しなかった」という強心臓ぶりで決勝弾を“お膳立て”するなどフル出場で上々のJ1デビュー。「改めてチームの一員になれたなあと思いました」と笑顔で節目を振り返った。

 2月7日に左足第5中足骨を骨折。約4カ月のリハビリ期間中は大先輩の金言も支えになった。自身も昨年8月に左膝前十字じん帯を断裂し、7月中の復帰を目指している石川だ。室屋は手術を受けた際に病院で見舞いを受け「日々の積み上げが気付いたときに大きな力となっている」と言葉を掛けられたという。過去に幾多の大ケガを乗り越え、アテネ五輪に出場した経験も持つ石川だけに言葉に重みがあった。

 室屋は助言を胸に必死にリハビリに励み、今季からFC東京U―23が参戦する6月12日のJ3藤枝戦で戦列に復帰。U―23日本代表に戻ると、同29日のU―23南アフリカ戦では決勝アシストの一発回答で五輪切符を手繰り寄せ、出場時間を延ばしていく中、この日のJ1デビューにつなげた。

 チームの悪い流れも断ち切った。2日の鳥栖戦。2―1で迎えた後半ロスタイムにまさかの2失点で大逆転負けを喫した。「とにかくファイトしようと思った」。気迫あふれるプレーで前半32分には裏に飛び出して右足でJ1初シュート。枠を捉えられず試合後は「ミスりました」と苦笑いだったが、主将の森重が後半34分に負傷退場のアクシデントがあった中で守備でも完封勝利に貢献した。メダル獲得を目標に掲げる手倉森ジャパン。必要不可欠だった重要なピースが、初舞台で真価を発揮した。

 ◆室屋 成(むろや・せい) 1994年(平6)4月5日生まれ、大阪府出身の22歳。地元クラブでは南野とチームメート。10年に青森山田高に入学して11年U―17W杯にも出場。13年に明大に進学し、15年にFC東京の特別指定選手として登録。リオ五輪アジア最終予選で優勝に貢献し、今季から明大サッカー部を退部しFC東京とプロ契約。1メートル74、65キロ。利き足は右。

 ▼リオ五輪代表のサイドバック(SB) レギュラーは、左はオーバーエージ(OA)枠のDF藤春(G大阪)が有力。右は1月のアジア最終予選でも5試合に出場したDF室屋が堅い。DF亀川(福岡)は両サイドをこなせるが、控えに回る可能性が高い。OA枠で選出されたセンターバックのDF塩谷(広島)も右SBでプレーできる。

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