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イングランド まさかの“EU離脱”初出場アイスランドに不覚…

[ 2016年6月29日 05:30 ]

アイスランドに敗れピッチを去るルーニー(左)をねぎらうイングランド代表ホジソン監督(AP)

欧州選手権決勝トーナメント1回戦 イングランド1―2アイスランド

(6月27日 ニース)
 優勝候補の一角とみられていたイングランドが、初出場のアイスランドに敗れる大番狂わせで姿を消した。FWウェイン・ルーニー(30=マンチェスターU)が前半4分にPKを決めて先制したが、その後に前半だけで2点を失い、1―2と逆転負け。また前回決勝の再戦は3連覇を狙ったスペインがイタリアに0―2で敗れた。ベスト8が出そろい、30日から準々決勝が行われる。
【試合結果 決勝T日程】

 英国民投票による欧州連合(EU)離脱派勝利に続く、衝撃的な結果だった。英紙タイムズは「イングランド代表史上最大の屈辱」という見出しで報道。ホジソン監督はキャメロン英首相と同様に辞意を表明した。会見で「もう2年続けたかったが、結果が全て。別の人間が代表を率いるべき時が来た」と述べ、質問は受けずに席を立った。

 サッカーの母国が、W杯を含め主要国際大会に初出場した人口33万人の新興国アイスランドに逆転負けした。前半4分、FWルーニーがPKを決めて先制も、わずか2分後に失点。同18分には勝ち越された。指揮官は若手を積極起用し、今予選唯一の全勝突破。初優勝への期待が重圧にもなる中、今大会最年少(平均25・39歳)の若さが裏目に出た。今季プレミア得点王の22歳のFWケインは4戦不発。終盤には今大会最年少のFWラシュフォードが出場したが、18歳には荷が重すぎた。

 GKハートは「若手は敗戦に学んで早く成長してほしい」と語ったが、世界最高峰のプレミアリーグで若手が経験を積むのは容易ではない。EU内出身選手は英国で制限なくプレーが可能。ばく大な放送権収入を背景にスター獲得に動くクラブも多く、約65%が外国人選手で占められる。厳しい競争から20歳のMFアリ、22歳のMFダイアー(ともにトットナム)、21歳のMFスターリング(マンチェスターC)らは台頭したが、戦力の底上げや選手層という長年の課題は残ったままだ。

 「本当に恥ずかしい。ウチの方が良いチームなのに。敗戦は説明できない」とルーニー。66年W杯優勝以来、50年も遠ざかっている主要国際タイトル獲得のためには、EU離脱のような大改革が必要なのかもしれない。

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