村井チェアマン ルヴァンカップで新しい風を吹かせたい

[ 2016年6月28日 12:40 ]

「YBCルヴァン・カップ」の大会ロゴマークをアピールする村井チェアマン

 1992年9月5日、私は大宮サッカー場(現NACK5)でいちサッカーファンとして声援を送っていた。翌年のリーグ戦開幕を控えた日本初のプロサッカーリーグであるJリーグはリーグ戦に先駆け、Jリーグヤマザキナビスコカップを開催。この日大会の初日を迎えていた。あれから24年、記者会見の席上で新しい大会名称を自らの口から発表することになるとは知る由もなかった。

 当時の関係者に取材をすると、この大会が今日のJリーグの発展にいかに重要であったかが浮き彫りとなった。大会の冠スポンサーを営業していた人間によると、数社に営業を掛けるものの、未知数という言葉すらおこがましいJリーグのカップ戦に興味を持った企業は皆無だったという。そんな中、一つだけかすかに興味を示した企業、それがヤマザキナビスコ社だった。その後、正式に大会の冠スポンサーとなり、以来24年にわたり、「Jリーグヤマザキナビスコカップ」はJリーグのカップ戦として継続され、3年前には同一スポンサーによる世界最長のカップ戦として、ギネス世界記録にも認定された。Jリーグとして初めての大会に冠スポンサーが付き、プロサッカーの社会的な価値が広く認知されたことが93年開幕時のJリーグフィーバーを導いたことは間違いのない事実であり、ヤマザキナビスコ社の決断がなかったら、Jリーグはここまでの成功を得ることはできなかったはずだ。

 そのヤマザキナビスコ社が企業としての岐路に立っている。米国モンデリーズ社とのライセンス契約が8月末で終了することに伴い、社名にもある「ナビスコ」のブランドと多くの主力製品の製造・販売権を失う。そんな逆境の中でもさらに3年の契約延長を申し出てくれたことに対して、我々ができることは何かを考え、今回シーズン中ではあるものの、大会名称の変更を申し出た。

 「JリーグYBCルヴァンカップ」。新社名のヤマザキビスケット社の略称と新しい主力製品である「ルヴァン」を合わせた大会名で、8月31日から始まるノックアウトステージを迎える。

 話は過去に戻るが、ヤマザキナビスコ社が大会に協賛した一番の理由は、Jリーグという若い世代が創り出す「新しい風」が吹こうとしていることに会社として応援しようという思いからだったという。同時に、Jリーグ側も日本サッカーの将来を担う子供たちに向けた「お菓子」という商品を扱うヤマザキナビスコ社に大きな可能性を感じたのだという。

 およそ四半世紀前に彼らが決断してくれた思いに今度はJリーグが応えていかなければならない。リーグとファン・サポーターが一つになって大会を今まで以上に盛り上げ新社名と商品名を数多くの方々に認知してもらうことに全力を尽くしたい。我々が「新しい風」を吹かせる番だ。(Jリーグチェアマン)

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