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死闘PK戦外した…準Vに失意のメッシ、無冠のまま代表引退へ

[ 2016年6月28日 05:30 ]

無冠で引退…。南米選手権で準優勝に終わりピッチに顔をうずめ悔しがるメッシ(AP)

南米選手権決勝 アルゼンチン0―0(PK2―4)チリ

(6月26日 イーストルーサーフォード)
 アルゼンチン代表のFWリオネル・メッシ(29=バルセロナ)が、代表引退を表明した。26日、米国ニュージャージー州イーストラザフォードで行われた南米選手権決勝で、チリにPK戦の末、2―4で敗退。準優勝に終わった直後に明言した。クラブ、年代別代表では数々のタイトルを獲得してきたスーパースターが、A代表では国際主要大会で無冠に終わった。

 試合後のロッカールーム。メッシは験担ぎで伸ばしたヒゲを涙で濡らしながら、大きな決断を下した。「僕の代表チームでの役目は終わった」。アルゼンチンのテレビ局TyCスポーツに語った突然の代表引退宣言は衝撃のニュースとして世界中を駆け巡った。

 悲願の初タイトルに、またも届かなかった。「これで4度目の決勝。アルゼンチンで王者になろうと本当に努力したが、実現できなかった。だから、もう終わりだ」

 07年南米選手権、14年W杯、15年南米選手権、そして今大会。4度の決勝でメッシは1点も取れず、全て準優勝に終わった。そして昨年と同じチリを相手にしたPK戦は、1人目で登場して上に外した。「本当に重要なPKを失敗した。多くの人々を失望させてしまった。(代表引退は)みんなにとって最善だと思う」。アルゼンチンの10番を背負うエース、そして主将として自虐的に振り返った。

 所属クラブのバルセロナではタイトルを獲り尽くし世界年間最優秀選手「FIFAバロンドール(旧バロンドールを含む)」に史上最多の5度選ばれた。年代別代表では05年世界ユース選手権(現U―20W杯)、08年北京五輪を制した。A代表は05年に18歳でデビューしてから歴代4位の113試合に出場し、今大会の準決勝米国戦で通算55点目。バティストゥータを抜いて同代表単独最多となったが、チームタイトルとは無縁だった。

 24日に29歳になったばかり。18年W杯ロシア大会は脂の乗り切った30歳で開幕を迎えることになるが「もう終わり。もう十分トライした。アルゼンチンで王者になれず一番悔しいのは僕なんだ。でも仕方ない。残念だが、何も成し遂げられず去ることになる」。世界を魅了してきたテクニシャンは無冠のまま白と水色のユニホームに別れを告げた。

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