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鹿島DF植田手記 故郷・熊本への思い「笑顔取り戻してもらえれば」

[ 2016年6月26日 12:30 ]

<鹿島・福岡>前半、鹿島・山本のゴールで笑顔を見せる植田

明治安田生命J1第1ステージ最終節 鹿島2―0福岡

(6月25日 鹿島)
 勝てば優勝するという試合に出場できて光栄ですし、チャンピオンになれて凄くうれしかったです。今季は開幕前から「全試合無失点でいこう」とDFラインで話し合ってきました。試合の流れが悪くても、DF4枚でどうにかしてやる。0で抑えてやると。人間として成長するためにプレー以外の面も変えました。人見知りで人と話すことが苦手でしたけど、いろいろな人と話すということを実践しています。メディアの方とか凄い嫌いでしたけど、話すようにもなりました。

 4月14日には地元の熊本で地震がありました。今でも思い出したくない記憶ではありますけど…。(16日の)湘南戦の朝から、テレビのニュースで熊本のことしか映っていなくて、家族、友達に連絡をして、凄い状況になっていると聞きました。僕が行って何かできることはないかと考え試合後、すぐに航空券を手配しました。翌日、練習に行くと(小笠原)満男さんが「熊本のためなら何でもするから言ってくれ」と、言ってくれました。僕は「きょう行ってきます」と言ったら「俺らも行く」と言ってくれました。

 その日の夜に6人で福岡に入ってレンタカーを3台借りて救援物資を買って積み込みました。そして、熊本に入って避難所を回りました。だけど、つらい思いをしている方から、逆に僕たちが元気をもらいました。「サッカー頑張ってね」とか、「鹿島の試合を見てるから」と言われて。

 5月5日に鹿嶋市内で募金活動もしました。鹿嶋にいる熊本県民のグループがあって、やろうと決めました。急だったんですけど、たくさんの人が来てくれました。満男さんには何も言ってなかったんですが、どこから聞いたのか、来てくれて。途中から一緒に活動してもらったので、本当に感謝しています。

 今月に入って熊本では豪雨被害がありました。地震の後に雨も続いて…。どれだけ熊本を苦しめるんだろうと思います。僕にできることはサッカー。戦う姿勢を見せて、笑顔を取り戻したり、期待を持ってもらえればと思います。

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