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興梠、黒子に徹する!U23リオOA最後の1枠正式発表

[ 2016年6月24日 05:30 ]

OA枠でのリオ五輪出場が内定し、囲み取材に応じる興梠

 日本協会は23日、リオデジャネイロ五輪に出場するU―23日本代表で24歳以上のオーバーエージ(OA)最後の1枠に浦和のFW興梠慎三(29)が内定したと発表した。一度は断りを入れたが、親交のある手倉森誠監督(48)の熱意にほだされ出場が決まった自身初の五輪舞台。ポストプレーが売りのストライカーはプレースタイル同様に黒子に徹し、68年メキシコ五輪以来のメダル獲得に貢献することを誓った。

 あくまでも自然体で、大舞台を見据えていた。OAのラスト1枠に内定した興梠は「やるからには1つでも上に。メダルも獲りたいけど、まずは初戦が大事。そこに全力を注いでいきたい」と語った。だが、年長者としてチームをけん引する意識については「ないっすね」と一蹴。寡黙なタイプだけに「テグさん(手倉森監督)も望んでいないと思う。自分が目立とうとは思わない」と黒子に徹する構えを見せた。

 29歳で迎える自身初の世界舞台を「ラストチャンス」と表現する。「自分には後はないけど、五輪代表の選手はまだ若い。これからA代表でやっていかないといけない選手たちに思い切りプレーさせてやれるプレーをしたい」。ストライカーとして得点も狙うが、最大の持ち味は抜群の運動神経を生かしたポストワーク。前線でボールを収めることで、攻撃の選択肢は一気に増える。「(監督に)前でキープしてゲームをつくってほしいと言われている」。若い味方の良さを引き出すため、既に五輪予選の映像で選手の特長をチェック。静かに準備を進めている。

 08年北京五輪では予備登録されながら落選したが、手倉森監督の熱意に五輪への思いが再燃した。「OAはいらないんじゃないですか」。そう進言して断りを入れたものの、指揮官のラブコールは続いた。「慎三なら大丈夫」「一緒に戦ってほしい」。鹿島にいた20代前半の頃から、鹿島OBとして親交があった指揮官に男気を感じた。「テグさんじゃなかったら行くこともなかったし、一緒に戦いたい」。浦和のチームメートやペトロヴィッチ監督も興梠の思いを理解し、背中を押した。FC東京戦に勝利した22日に決断を下した。

 岡崎(レスター)や本田(ACミラン)と同じ86年生まれ。興梠は「今はどんどん離されているけど、やればできるんだぞというのを試す良い機会」と訴えた。熱い思いを胸に秘めた男が、手倉森ジャパンに加わった。

 ▼U―23日本代表手倉森誠監督 しなやかさとタフさがあり、間違いなく五輪でチームの攻撃のバリエーションを増やせる選手。日本のために輝いてほしい。

 ◆興梠 慎三(こうろき・しんぞう)1986年(昭61)7月31日、宮崎市生まれの29歳。鵬翔(宮崎)から05年に鹿島に入団し、13年に浦和に移籍。12年から4年連続でリーグ2桁得点中で、J1通算298試合92得点。ACLでは41試合で日本人最多14得点をマーク。日本代表では国際Aマッチ通算16試合0得点。1メートル75、72キロ。

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2016年6月24日のニュース