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シモビッチ&オーマンが母国分析 U23スウェーデンは“和のチーム”

[ 2016年6月21日 14:10 ]

U―23スウェーデン代表について語る名古屋のシモビッチ(左)とオーマン

 リオ五輪開幕が迫る中、1次リーグで日本と対戦する3チームを同国出身のJリーガーが分析した。名古屋のFWロビン・シモビッチ(25)とDFルドゥウィッグ・オーマン(24)は、昨年のU―21欧州選手権優勝チームが軸となる母国スウェーデンの特徴を明かした。

【リオデジャネイロ五輪】

 イタリアやイングランドなどとの“死のグループ”を勝ち抜き、決勝ではポルトガルをPK戦の末に撃破。昨年までスウェーデンリーグでプレーしていたシモビッチとオーマンは、U―21欧州選手権で優勝した母国の後輩をどう見ていたのか。

 シモビッチ「優勝なんか期待されてなかった。誰も想像していなかった」

 オーマン「1勝も無理だと思われていたね」

 では、なぜ激戦区を勝ち抜けたのだろう。強みは何なのか。高さ?個人の能力?答えは違う。

 シモビッチ「一体となって戦うチームだった」

 オーマン「スターがいなくても、どう戦えばいいかが徹底されているよね。空中戦と地上戦のどちらでもできるように整備。スウェーデンは多元文化で、身長が高い人間ばかりじゃない。ポゼッションだってできるんだ」

 シモビッチ「相手によっても戦術を変えることができる。相手の技術が優れているならブロックをつくって戦う。高さで分があるなら、そこを使う。状況によっていろんな戦い方ができるチーム」

 「勝てない世代」と言われた手倉森ジャパン同様、チームワークこそが最大の武器という。

 オーマン「年代別代表時代にエリクソン監督の下でプレー経験がある。グループ重視で規律を重んじる。個々人に責任感を持たせることがうまい」

 U―21欧州選手権はリオ五輪出場資格がない92年生まれの選手もプレー可能だった。だがエリクソン監督の下、五輪本大会でもチーム力は落ちないという確信がある。

 シモビッチ「92年生まれが出場できなくても新たな血が出てくるはず」

 オーマン「若手は力を伸ばしている。U―21欧州選手権には出場していないけどFWではグスタフ・エングバル(20=イエーテボリ)や攻撃的MFのアレクサンデル・フランソン(22=バーゼル)らがいる」

 シモビッチ「FWではラーションの息子(ジョーダン・ラーション、18=ヘルシンボリ)もいるな。彼は面白い存在だ」

 オーマン「そういう選手の力が組み合わされば大きな力を発揮できる。そんなチームに成長した」

 そして忘れてはいけないのがこの大スターだ。

 シモビッチ「注目は何と言ってもズラタン・イブラヒモビッチ(34=パリSG)。最終的にどうか分からないけど“個人的には出場したい”と話しているようだね」

 欧州選手権では、5試合中4試合が1点差の競り合い。手倉森ジャパンのような粘り強さもある。

 シモビッチ「日本は速い選手が多い。スウェーデン相手には、そこを生かしていければいいんじゃないか。アグレッシブにプレーしてくるDFは嫌なもんだ。先にボールに触るようなポジショニングが大事」

 オーマン「僕はセットプレーが鍵を握ると考えている。攻撃でのコンビネーションは日本の方がスウェーデンよりもいい」

 シモビッチ&オーマン「でも日本との結果はドロー(笑い)。互いに2勝ずつして決勝トーナメントに進出できれば最高だね。互いの健闘を祈るよ」

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2016年6月21日のニュース