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清武 決意のセビリア移籍「リーガ成功の先駆者になる」

[ 2016年6月14日 09:10 ]

セビリア移籍が決まりインタビューに答える清武

 ハノーバーからスペイン1部セビリアへの移籍が決まった日本代表MF清武弘嗣(26)が13日、スポニチ本紙のインタビューに応じた。2年後に迫る18年W杯ロシア大会で結果を出すために、慣れ親しんだドイツを離れて厳しい環境に身を置くことを決断。過去に日本人が結果を残せていないスペイン移籍の道筋を広げる意気込みを示し、1年目からの活躍を誓った。

 ――セビリアはヘタフェで背番号10を背負ったMFサラビアの獲得を決めた。欧州リーグ3連覇に導いたエメリ監督が退任し、元チリ代表監督のサンパオリ氏の就任が決定的になっているが、今の率直な気持ちは?

 「凄く楽しみ。ニュルンベルク、ハノーバーとは違う1つ上の定位置争いが待っている。真司君(香川=ドルトムント)、圭佑君(本田=ACミラン)、岡ちゃん(岡崎=レスター)らは1つ上のチームで、1つ上のライバルとポジションを争っている。それを求めてスペインに行く。勝ち獲れるかどうかは自分次第だが、自信はある。ハノーバーのチームメートにチリ代表の選手(DFアルボルノス)がいるので、どんな監督か聞いてみようと思う」

 ――ドイツでの4年間で得たものは?

 「ドイツで技術面が伸びたとは思わない。大きく変わったのはメンタル。ドイツのサッカーに慣れた、海外の生活に慣れたという部分。慣れた場所を離れるのは勇気がいる。大分から出るのも嫌だったし、C大阪からニュルンベルクに行くのも勇気が必要だった。その中で、今は移籍が自分を成長させてくれたと思える。W杯まで2年しかないし、ここで自分が変わらないと駄目だと思った。日本代表の中心にならないといけない年齢。11年から5年間も代表にいて、何もできていない今の状況はありえない。ハリルホジッチ監督も“キヨが1つ上に行くために、欧州リーグや欧州CLに出られるチームに行った方がいい”と言ってくれていた」

 ――スペイン1部には過去9人の日本人が挑戦したが、目に見える成功を収めた選手はいない。

 「僕がニュルンベルクに移籍した時は真司君がドイツで活躍して(ドイツ移籍の)流れをつくってくれていた。プレミアでは岡ちゃんが優勝して、日本人がイングランドでもやれることを示してくれている。僕もスペインでそういう存在になり、若い選手にスペインでプレーする道をつくってあげないといけない。(エイバルの)乾君も言っていたけど、スペインは皆うまい。ドイツ、イングランドと同様に球際はガツガツ来るが、それを簡単にいなせる選手が多い。だから技術にたけた日本人の特長が埋没する点で難しいのかなと思う。その中でも違いを見せたい」

 ――9月にはW杯アジア最終予選が始まる。

 「W杯ブラジル大会は4年間準備したのに3試合であっという間に終わった。自分が試合に出たのは(1次リーグ最終戦コロンビア戦の)5分ぐらい。悔しさよりも寂しさ、悲しさの方が強かった。良い経験と言ったらいけないけど、自分を強くしてくれた経験ではある。ロシアでは決勝トーナメントに行きたい。W杯アジア最終予選は厳しい戦いになると思うが、しっかりと本大会出場権を勝ち取りたい」

 ◆清武 弘嗣(きよたけ・ひろし)1989年(平1)11月12日生まれ、大分県出身の26歳。元日本代表の三浦淳寛氏らを輩出した明治北小から大分の下部組織に進み、08年にトップチームに昇格。10年にC大阪に移籍した。12年7月にニュルンベルク入りし、14年7月からハノーバーに所属していた。12年ロンドン五輪4強に貢献。14年W杯ブラジル大会出場。国際Aマッチ通算37試合3得点。1メートル72、66キロ。利き足は右。

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2016年6月14日のニュース