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リオ五輪間に合った!U―23DF室屋 4カ月ぶり復帰

[ 2016年6月13日 05:30 ]

<FC東京U―23・藤枝MYFC>後半、FC東京U―23・室屋(左)が藤枝MYFC・平石と競り合う

 明治安田生命J3第12節が12日、各地で行われ、FC東京U―23は藤枝MYFCと1―1で引き分けた。2月に左第5中足骨を骨折し手術したU―23日本代表候補のDF室屋成(22)が後半25分からプロ初出場を果たし、長期離脱から復帰。回復が遅れれば8月のリオデジャネイロ五輪出場に待ったがかかる状況だったが、間に合った。

 右サイドを駆け上がった。室屋は後半25分、主審から出場を認められると、右手で軽く芝を触りピッチに入った。ファーストプレーはスローイン。その後は、右サイドバックとして、相手のシュートシーンでは体を張るなど約20分間、奮闘した。「大きな一歩。(ケガによる)怖さは全然なかった。すぐに息が上がっちゃいましたけど、これからドンドン良くなると思う」。2月11日にケガをしてから約4カ月。プロとしてのデビュー戦を笑顔で振り返った。

 U―23日本代表として1月のリオ五輪アジア最終予選では主力の右サイドバックとしてプレーした。しかし、帰国約1週間後、チームの宮崎キャンプ合流初日の練習中に負傷。回復が遅れれば五輪出場にも影響が出る恐れがあったが、間に合った形だ。今後のコンディションの上昇度次第ではあるが、かねて手倉森監督の評価は高く、復帰できたことで本大会メンバー18人に入る可能性は高まった。サイドバックは柏DF山中らケガ人が多いポジションで、視察したU―23の佐藤GKコーチは「試合に出たから良かった」と胸をなで下ろした。次の実戦では手倉森監督か秋葉コーチが視察に訪れる予定で、そこで改めて回復状況などが確認される。

 転んでもただでは起きなかった。リハビリ中は筋力トレに励んだ。体重は約2キロ増え、体全体の筋肉量も増えた。単調なメニューの連続にめげそうになったこともあったが、ともにリハビリを行っていた元日本代表MF石川から前向きな言葉を掛けられ刺激も受けた。

 当然、29日に行われるU―23南アフリカ代表との強化試合での代表復帰も目指す。そしてJ1に出場してから五輪に出場するつもり。「手倉森監督と一緒にメダルを目指して戦いたい」。アジア制覇の立役者の一人が帰ってきた。

 ◆室屋 成(むろや・せい)1994年(平6)4月5日生まれ、大阪府出身の22歳。5歳でサッカーを始め、地元クラブでは現ザルツブルクの南野とチームメート。青森山田高時代の11年にU―17W杯に出場して8強入りに貢献。13年に明大に進学し、昨年はFC東京に特別指定選手として登録。今季FC東京とプロ契約。1メートル74、65キロ。利き足は右。

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2016年6月13日のニュース