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大久保&大迫OA枠残った 決定力不足解消へ切り札

[ 2016年6月9日 05:35 ]

大久保嘉人

 日本協会は8日、東京都文京区のJFAハウスで強化部会と技術委員会を開き、リオデジャネイロ五輪に出場する手倉森ジャパンのオーバーエージ(OA)枠(最大3人)の候補を5人に絞り込み、川崎FのFW大久保嘉人(34)と、ケルンFW大迫勇也(26)が入った。5月のトゥーロン国際大会では決定力不足を露呈しており、OA枠を使用し解消を図る。

 U―23日本代表のOA枠候補選手が5人に絞り込まれた。この日の強化部会で日本オリンピック委員会(JOC)に派遣手続きを行う30人のU―23世代の選手と、5人のOA枠選手が会議に参加したメンバーに伝えられた。日本協会関係者によれば、川崎Fの大久保、ケルンFW大迫が入っているという。

 5月のトゥーロン国際大会に臨んだ手倉森ジャパンは1勝3敗に終わり1次リーグで敗退した。最大の原因は決定力不足。その課題を解消するために日本代表を経験した2人が候補入りした。大久保は昨季まで3季連続で得点王を獲得した日本のトップストライカー。W杯も2度経験しており、経験も申し分ない。当初はクラブ側も大久保を欠かせない戦力として供出に難色を示していたが、18人の正式メンバー招集へのオファーがあれば「日本のためにという思いはある」と言う本人の意向を考慮し、交渉のテーブルに着く意向だ。

 大迫は得点力に優れ、周囲を生かすポストプレーも得意とする万能型FWで手倉森監督が最も評価する選手の一人。日本協会関係者によれば3月に行われたポルトガル遠征でも招集が検討されていた。霜田技術委員はこの日、海外組の招集について「日本人選手に五輪に行ってこいと言ってくれるクラブはなかなかないが、再度、交渉する可能性は捨てていない」と、招集を模索し続ける考えを示した。ドイツも五輪に出場するため、リーグ全体でU―23代表を後押しする可能性があり、ケルンにも同代表候補のMFビッテンコートらがおり、大迫に関しても容認へと傾く可能性がある。

 仮に2人とも招集に至った場合、FW陣が刷新され“夢の2トップ”が生まれる可能性もある。霜田技術委員は今月29日のU―23南アフリカ代表との強化試合でのOA枠招集の可能性も示唆。OAの力を借りて得点力不足を解消し、48年ぶりメダル獲得を目指す。

 ◆大久保 嘉人(おおくぼ・よしと)1982年(昭57)6月9日、福岡県出身の34歳。01年に国見高からC大阪入り。04年12月にマジョルカに期限付き移籍。その後C大阪、神戸を経て09年1月から半年間ボルフスブルクでプレー。13年には神戸から川崎Fに移籍した。13~15年はJ史上初の3年連続得点王を獲得。国際Aマッチ通算60試合6得点。1メートル70、73キロ。右利き。血液型A。

 ◆大迫 勇也(おおさこ・ゆうや)1990年(平2)5月18日生まれ、鹿児島県出身の26歳。鹿児島城西高3年時に全国高校選手権で1大会最多得点記録となる10得点をマーク。09年に鹿島に入団し、14年1月にドイツ2部1860ミュンヘンに移籍。14年6月からケルンに所属する。Jリーグ通算139試合40得点。国際Aマッチ通算15試合3得点。14年3月にモデルの三輪麻未と結婚。右利き。1メートル82、73キロ。血液型O。

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