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ハリルJ第2段階へ 初のVS欧州勢ブルガリア戦は“進級テスト”

[ 2016年6月2日 05:30 ]

記者会見するハリルホジッチ監督

キリン杯準決勝 日本―ブルガリア

(6月3日 豊田ス)
 日本代表は1日、3日のキリン杯ブルガリア戦に向け、豊田スタジアムで公式練習を行った。就任2年目の16年をチームの第2段階と位置づけるバヒド・ハリルホジッチ監督(64)は、初めて欧州勢と対戦する今大会を“進級テスト”とする方針を示した。9月から始まる18年W杯ロシア大会最終予選、そしてW杯本大会へ向け、冷静な目で戦力を見極める。

 ハリルホジッチ監督が“試験官”と化す。ブルガリア戦は、欧州勢としては14年W杯ブラジル大会のギリシャ戦以来。指揮官は「ブルガリアは本当に良いチーム。厳しさとパワーがある。日本にとっては凄く良いテストになる」と歓迎した。就任した15年の第1章から次章へ、選手たちの習熟度を測る進級テストとなる。

 試験にあたり、指揮官は“基準”を明示した。今合宿では、これまで教えてきた項目を箇条書きにまとめたペーパーを全選手に配布した。(1)縦への速さを求める攻撃(2)取ったら6秒以内に奪い返すなど守備の規律(3)セットプレー(4)1対1での球際の強さを求めるデュエル(5)メンタル面、さらには(6)相手へのリスペクト――などプレー以外の項目もあったという。対アジアだけでなく、対世界を意識した第2段階への指針も織り交ぜられていた。「全て彼らに説明して渡した」と指揮官。「ロッカールームだけでなく宿舎のリラックスルームにも貼ってある。(内容は)監督が1年やって感じたこと」とDF槙野は明かす。これまで指揮官がチームに落とし込んだサッカーをピッチで表現できるかが生き残りの鍵となる。

 ミーティングでは3月のW杯2次予選シリア戦の映像が流れた。「5―0ほど(内容は)簡単でなかった。10分で相手は2~3回チャンスをつくった。ブルガリア戦で同じことをすれば失点するかもしれない」と指揮官。格下のアジア勢と違い、今後対戦する相手は、日本がボールを保持する時間は限定される。求めるのは厳しい状況で力を発揮できる選手だ。「欧州のフィジカル的に強いチームにどのような守備をするか。デュエル、空中戦で対抗できるか。攻撃面で戦術が出せるか。最終予選につながるか。欧州の強豪国に我々のプレーができるか」。9月から始まるW杯最終予選、そして本大会へ向け、闘将は目を光らせる。

 ▼ブルガリア代表ペテフ監督 今大会はW杯予選に向けて大変重要な位置付け。日本という強い相手にいい試合ができることを期待している。

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