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ジダン監督&選手で欧州制覇 レアル“返り討ち”11度目V

[ 2016年5月30日 05:30 ]

欧州CL制覇を抱き合って喜び合うロナウドとジダン監督(AP)

欧州チャンピオンズリーグ決勝 Rマドリード1―1(PK5―3)Aマドリード

(5月28日)
 レアル・マドリードが前身の欧州チャンピオンズ杯を含め、最多記録を更新する2季ぶり11度目の優勝を果たした。28日、決勝がイタリア・ミラノで行われ、2季前と同じアトレチコ・マドリードとのダービーは1―1のまま延長でも決着せず、PK戦を5―3で制した。PK戦最後のキッカーを務めたポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウド(31)が、16ゴールで4季連続5度目の得点王を獲得。1月に就任したジネディーヌ・ジダン監督(43)は史上7人目となる選手と監督の両方での欧州制覇を果たした。Rマドリードは12月に日本で開催されるクラブW杯に出場する。

 死闘を締めくくる“決勝弾”はC・ロナウドが決めた。PK戦で相手4人目が失敗した直後、4―3で迎えた5人目。いつもの仁王立ちから右足でゴール右に蹴り込んだ。同じ顔合わせだった2年前の決勝で延長終了間際にPKで得点した時と同様に、シャツを脱ぎ捨て歓喜の雄叫び。同僚の手荒い祝福の後に、ジダン監督と抱擁した。

 「夢のようだ。決勝点を決める予感があったので、ジズー(ジダン監督の愛称)にピッチに残してほしい、(PK戦)5番目に蹴らせてくれと頼んだ。その通りになった」。足をつりながらフル出場と重圧のかかるPK戦5人目を志願した現エースと、それを受け入れて勝負を託した元エースの新人監督。その良好な関係が11度目Vの原動力となった。

 「就任時からこの優勝を夢見てきた」と喜びを語ったジダン監督は、1月に解任されたベニテス前監督の後釜として就任。トップチームを率いた最初のシーズンで欧州制覇は史上8人目となった。02年欧州CL決勝で伝説的なボレー弾を決めて9度目VをもたらしたレジェンドOBは、史上7人目の選手と監督の両方で優勝を達成。就任直後は経験不足を不安視する報道もあったが、選手との確執が伝えられた前任者とは対照的にスター軍団と信頼関係を築いた。「監督よりも選手が重要」と自主性と対話を重視する指揮官について、ロナウドは「監督を全面的に支持している。謙虚な人柄で聞く耳を持ってくれる。指導者だけでなく人間としても憧れる」と心酔している。

 120分では得点は挙げられなかったが、万全ではない状態でも志願のフル出場を果たした背番号7について、ジダン監督は「よく戦い、長い距離を走ってくれた」とハードワークを称賛。白い巨人に新たなタイトルをもたらした新旧スターの“師弟コンビ”が、12月に日本で行われるクラブW杯で今度は世界一を目指す。

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