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本田 初招集・小林祐を2代目に“指名”「大事にしてあげて」

[ 2016年5月28日 05:30 ]

香川(手前)とフットテニスで対決する本田

キリン杯2016 日本-ブルガリア

(6月3日 豊田スタジアム)
 日本代表FW本田圭佑(29=ACミラン)が、初招集のMF小林祐希(24=磐田)を2代目に“指名”した。今年1月にミラノで会食したプラチナ世代のレフティーを高く評価。強気な発言と強じんなメンタルを持つ選手が日本に少ないことを指摘した上で、貴重な個性を持つ小林祐の成長を促す考えを示した。この日、MF香川真司(27=ドルトムント)、FW浅野拓磨(21=広島)と欧州組合宿に合流し、ランニング中心のメニューを消化した。

 かつての自分の姿が重なった。日本代表に初選出された小林祐について問われると「実はミラノで一度、食事をしている」と切り出し、「初対面でも自信があって、何にも恐れずに発言する。自分の若い頃とかぶる部分もある」と評した。今年1月に共通の知人がいる縁で会食。いきなり懐に飛び込んできた新顔を自身の後継者候補と見た。

 共通点は多い。磐田の司令塔を担う小林祐は初招集を受けて「いきなり10番でも問題ない」「(本田に4番の)パフォーマンスを教えたい」などと発言した。周囲も度肝を抜くビッグマウスは“本家”ばり。2人ともレフティーで、本田が代表でつける背番号4は小林祐が磐田で背負う番号でもある。

 本田はJリーグでのプレーを映像でチェック。「僕はホルンのオーナーですからね」と冗談めかして笑い、ともにピッチに立つイメージも膨らんでいる。小林祐は宇佐美らと同じ92年生まれのプラチナ世代。「僕らのあの時より全然うまいと思うし、楽しみ。メンタルが整った選手が現れた」。強い信念で自らの道を切り開いてきた男は笑顔を見せた。

 本田はかつて背番号10の中村(現横浜)にFKキッカー役を代わるよう訴えた経験がある。かつての自分のように小林祐が「FKを蹴りたい」と言ったらどうするか。そう問われた本田は「うまければ蹴ればいい。(得点を)決められるなら決めてほしいし。それは僕はフラットに考えている」と答えた。後継者のアピールにも耳を傾けながら成長を後押しする。

 「彼自身の言ったことが今後どう実現するか注目してほしい。発言する選手が日本には少ない訳ですから、希少価値が高い。大事にしてあげてほしい」。もちろん簡単に席を譲るつもりはないが、後輩へバトンをつなぐ思いもある。本田と小林祐。似て非なる2人の“融合”に注目が集まりそうだ。

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2016年5月28日のニュース