×

ハリル監督 蛍に“復活術”伝授!生死さまよった過去踏まえ…

[ 2016年5月17日 09:34 ]

15日に誕生日を迎えたハリルホジッチ監督は報道陣から1日遅れでケーキを贈られて笑顔を見せた

 日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督(64)が16日、東京都文京区JFAハウスに左眼窩(がんか)底骨折から復帰を目指すMF山口蛍(25=ハノーバー)を呼び“再生”を後押しすることを約束した。6月のキリン杯に向けて23日から千葉県内で開催予定の欧州組合宿に招集することも明言。どん底からはい上がった例として、過去に生死をさまよった自身の経験も披露した。

【日本代表日程】

 JFAハウス10階の監督室。ハリルホジッチ監督が、左眼窩底骨折からの復帰を目指す山口と膝をつき合わせて話し合った。「A代表で使えるのか、ケガの状況を聞きたかった。山口は(所属するハノーバーが)2部に落ちてがっかりしている。プレーもほとんどできていない。勇気付けるのが目的です」。へこんでいる姿を見て、声を掛けずにいられなかった。

 昨年12月にJ2C大阪からハノーバーに移籍した山口だが、デビュー2戦目の2月6日マインツ戦でミスを連発して前半35分に途中交代を命じられるなど苦戦。追い打ちをかけるように、日本代表の3月29日シリア戦で顔面を骨折した。長期離脱を強いられ、そのままシーズンを終了。体調は万全に程遠いが、指揮官は「欧州組の千葉合宿に呼びます。専門的なトレーニングをする。名古屋(開催のキリン杯)をどうするかは後で決める」と再生を後押しする。

 15日に64回目の誕生日を迎えた指揮官は自身の半生に言及。26歳の時に脱臼癖のあった左肩の手術を受け、麻酔のアレルギー反応で生死をさまよった過去を明らかにした。「3回目の電気ショックで生き返りました。知らされたのは手術の1年後でしたが」。ボスニア紛争では、銃弾で尻に大ケガを負い、スナイパーに命を狙われたこともある。

 現役時代、ナント加入1年目の81~82年シーズンには現在の山口のように出場機会に恵まれなかった時期もあり「いくつもの人生があった。期待通りにならない時も自分を奮い立たせて成功した」と説明した。

 どん底からはい上がった数々のエピソードに、山口に向けたメッセージが込められた。手術室では文字通り生き返った指揮官が豊富な人生経験を生かして、悩めるボランチをよみがえらせる。

続きを表示

2016年5月17日のニュース