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初Vレスター主力流出危機…奇跡の代償 格安軍団の市場価値急騰

[ 2016年5月3日 11:20 ]

移籍話が浮上しているレスターのMFマフレズ(AP)

 プレミアリーグで奇跡の進撃を見せたレスターに、主力選手の流出危機が浮上した。日本代表FW岡崎慎司(30)をはじめ世界的には無名だった“雑草軍団”は、今季の躍進で評価が急上昇。特にイングランドプロ選手協会の今季MVPに輝いたアルジェリア代表MFリヤド・マフレズ(25)と、今季加入して守備の要となったフランス代表MFエンゴロ・カンテ(25)には複数のビッグクラブが獲得に興味を示しており、夢物語はわずか1シーズンで終わりとなるかもしれない。

【プレミアリーグ順位表 得点ランク】

 レスターの奇跡的な躍進の原動力となっている攻守の要が、ビッグクラブに引き抜かれる可能性が出てきた。英国メディアを中心に、移籍話がヒートアップしてきているのが、マフレズとカンテの25歳MFコンビ。先月25日にフランス誌オンズ・モンディアル(電子版)でマフレズが、フランスの強豪パリSGから興味があるとされたことについて「あまり興奮しないね。イングランドが好きなんだ」と語ったのも一例だ。

 今季の活躍で“格安選手”の市場価値が急騰している。その筆頭がマフレズ。14年1月にフランス2部ルアーブルから加入した際の移籍金はわずか35万ポンド(約5460万円)だったが、今や市場価値は推定2500万ポンド(約39億円)。プレミアリーグ初挑戦だった昨季は30試合4得点と目立たなかった細身の選手が、今季は17得点11アシストと一気にブレークし、イングランドのプロ選手が投票で選ぶ年間MVPに輝いた。突破力と決定力を兼ね備えたレフティーにビッグクラブでは昨季欧州CL優勝のバルセロナのほか、アーセナル、マンチェスターUが興味を示しているとされる。

 マフレズがFWバーディーとともに攻撃の中心なら、守備の要がカンテだ。昨夏にフランス1部カンから移籍金560万ポンド(約8億7400万円)で加入。ラニエリ監督が「パンツの中に電池を隠している」と表現するほどの無尽蔵のスタミナで中盤を走り回り、リーグ1位のボール奪取数で、レスター最大の武器である速攻の起点となっている。クラブが設定した契約解除に必要な違約金は2000万ポンド(約31億円)とされるが、今季の活躍と将来性を考えれば“お買い得”。マンチェスターU、アーセナル、チェルシー、トットナム、ユベントス、パリSGなどマフレズ以上の争奪戦の様相を呈している。

 ここにきて守護神シュマイケルにもバルセロナが興味を示しているとの情報も出た。来季クラブ初挑戦となる欧州CLをはじめ、プレミアリーグ、FA杯、リーグ杯と4大会の過密日程を勝ち抜くためにも戦力保持と補強は必須。ただでさえ層が薄いが主力の慰留に失敗すれば、昨季までのように一気に残留争いに逆戻りする危険性をはらんでいる。世界が驚く今季のシンデレラストーリー。第2章もハッピーエンドとなるとは限らない。

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