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宇佐美3戦ぶり弾!先発落ちもさすが「俺が勝たせるしかない」

[ 2016年4月25日 05:30 ]

<福岡・G大阪>後半34分、途中出場の宇佐美(右)が決勝ゴール

明治安田生命J1第1S第8節 G大阪1―0福岡

(4月24日 レベスタ)
 9試合が行われ、G大阪はアウェーで福岡を1―0で下した。後半34分に途中出場の日本代表FW宇佐美貴史(23)が今季2得点目となる決勝弾。19日のACL水原三星(韓国)戦で2連続PKを外したエースが不振脱却の1発を決め、チームを公式戦3試合ぶりの勝利に導いた。

 真っ先にサポーターの待つスタンドへ走った。手荒い祝福が心地良かった。「試合前に一番最初にオレのチャント(応援歌)を歌ってくれた。サポートしてくれていた。オレが勝たせるしかないと思っていた」と宇佐美。勝利に導く1発を、まずサポーターにささげた。

 0―0の後半34分。左サイドで阿部からのパスを受けると周囲の状況を見た。「DFとGKが重なる瞬間があると思っていた」。それを見逃さず右足で放ったシュートは弧を描き、ゴールネットを揺さぶった。

 リーグ開幕・鹿島戦以来の先発落ち。だがACLと並行する過密日程を考慮した当時とは状況が違った。水原戦で2連続でPK失敗。アジア制覇の野望もついえた。試合後は号泣。「もう試合から外してほしい」というほど落ち込んだ。そんな中、長谷川監督は「ベンチから試合を見て、もう1度“試合に出たい”という思いを持たせたかった」。リフレッシュさせることを決断した。

 宇佐美自身も懸命な努力をした。「どういうサッカー人生にしていくのか考えさせられるほどの出来事」(宇佐美)だった水原戦後、自宅に戻っても一睡もせず。リビングを真っ暗にし「サッカーや自分のプレーに対する姿勢、試合に向けての作業」を自問自答した。約7時間。家族は黙って見届けてくれた。そして見つけた答えはシンプル。「福岡戦から勝たせることしかない。それで責任を果たすしかない」だった。

 「自分がエースなんだというプレーをしてくれたのが非常に良かった」と指揮官は目を細める。周囲のサポートに加え、身を削る思いでつかみ取った今季2得点目。それは1得点以上の価値があるゴールだ。(飯間 健)

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