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【リオdeオレ!!】鹿島・植田 リオ五輪での雄姿を故郷・熊本に届けたい

[ 2016年4月17日 09:45 ]

<湘南・鹿島>後半、高山をマークする鹿島・植田 (左)

明治安田生命J1第1S第7節 鹿島3―0湘南

(4月16日 BMWス)
 目頭が熱くなった。鹿島DF植田は左手の人さし指と親指で両まぶたを押さえた。それでも、あふれ出てくるものを抑えられなかった。熊本県が大地震に襲われた。実家のある宇土市の被害は甚大だった。「親は無事でしたけど、亡くなっている方もたくさんいる。つらいですね」

 無事だったとはいえ、両親は津波を警戒して高台に移動。昨夜は車の中で過ごしたという。朝、起きてからもテレビのニュースから伝わってくるのは変わり果てた地元の姿。「育ったところ、見てきたところがあんなふうに…。衝撃を受けました」。試合に集中するのは難しい状況。それでも「僕にはサッカーしかない。熊本のみんなと戦っている気持ち。(結果を見て)何人かでも元気になれる人がいればいい」とプロとしての姿勢を貫いた。体を張った守備でシュート8本を打たれたが今季4度目の完封勝利。J1最少失点(3失点)をキープした。

 U―23日本代表では主力センターバック。だが、「まだ(五輪のことは)考えられない」と、余震が続く熊本のことが頭を占める。それでも「(五輪は)日本を代表して戦う。(その時)熊本の皆さんが見られるか分からないですけど、良い結果を伝えられたら」。目指すのは48年ぶりとなるメダル獲得。負けられない理由がもう一つ増えた。

 ◆植田 直通(うえだ・なおみち)1994年(平6)10月24日、熊本県生まれの21歳。少学時代はテコンドーで日本王者となり、世界大会に出場。大津高でサッカーを本格的に始め、高さとスピードを買われDFに転向してレギュラーに定着。13年に鹿島に入団。11年U―17W杯では1次リーグのアルゼンチン戦で1得点。15年アジア杯でA代表初選出。1メートル86、77キロ。利き足は右。

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