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野津田 リオ五輪代表へ存在感、J開幕直後移籍 なるか“第2の杉本”

[ 2016年4月14日 15:23 ]

<U23日本代表候補・清水>後半、ドリブルで抜け出すU23日本代表候補・野津田
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 第2の杉本健勇になれるのか。リオデジャネイロ五輪に出場するU―23日本代表が、13日に3日間の静岡合宿を打ち上げた。最終日にはJ2清水との練習試合が行われ、1―1のドローに終わった。全体的に低調だった試合の中で、代表で唯一のゴールを挙げたのがMF野津田岳人(21)。右膝内側側副靱帯(じんたい)損傷で五輪切符を懸けたU―23アジア選手権出場を逃したレフティーが、確かな存在感を示した。

 野津田は今年3月末に広島から新潟に移籍。五輪のメンバー入りに向けて出場機会を増やしたい思いもあり、ジュニアユースから慣れ親しんだクラブに別れを告げた。シーズンが始まってすぐの移籍は異例といえるが、思い出すのが4年前の杉本健勇だ。

 当時、C大阪に在籍していた杉本は、開幕後の3月27日にJ2東京Vへと期限付き移籍。関塚ジャパンでは原則的に1クラブから3人までの選出となっており、C大阪には清武、山口、扇原という代表の主力3人が在籍していた。どれだけ活躍しても選出が困難な状況で、最終的に移籍を決断。新天地で出場機会をつかみ、ロンドン五輪の本大会メンバーに選ばれた。

 限られた時間ながら、J1屈指の強豪と呼べる広島でも出場機会はゼロではなかっただけに、移籍を決断するまでには相当に悩んだ。だが、よりコンスタントに出られる環境を望み、野津田は新潟に行くことを決めた。加入後はナビスコ杯川崎F戦で先発出場も、続くリーグ戦の磐田戦は後半31分からの途中出場。まだ定位置はつかみきれてはいない。

 復活を印象づけるゴールを奪った静岡合宿。リオへの再スタートを切ったとはいえ、本当の戦いはこれからだ。それは本人が最も理解しており「チームに帰ってアピールしていくことが大事」と語っている。獲得してくれた新潟に貢献するためにも、さらに引き留めながらも最後は送り出してくれた広島のためにも、新天地でより一層奮起してほしい。(西海 康平)

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2016年4月14日のニュース