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大久保「顔面でも」執念Vヘッド「また外すんじゃないかと不安だった」

[ 2016年4月10日 17:55 ]

<川崎F・鳥栖>後半ロスタイム、川崎F・大久保はゴールを決め中村(右)の祝福を受ける

明治安田生命J1第1S第6節 川崎F1―0鳥栖

(4月10日 等々力)
 川崎FのFW大久保嘉人(33)がホームでの鳥栖戦の終了間際に今季3点目を決め、広島FW佐藤寿人(34)と並んでいたJ1通算得点記録を単独最多の159点とした。引き分け濃厚と思われた死闘に決着をつけ、チームを再び首位へと導く値千金の一発。大久保は試合後のヒーローインタビューで「顔面でもいいんで当てました」と振り返り、充実の表情を見せた。

 “ついてない”一日のはずだった。試合開始直後の前半2分、大久保は相手のミスを突いてボールを奪い、ドリブルで駆け上がって右足でミドルシュート。しかしボールはクロスバーを直撃し、先制点はならなかった。後半33分にはMF田坂のクロスに反応してドンピシャのタイミングでゴール前に飛び込んだが、相手DFに阻まれて枠外。同44分には中村の右FKに頭で合わせたが今度はゴール左に外れ、ロスタイム1分過ぎには中村の右クロスに左足で合わせてようやくゴールネットを揺らしたが、判定はオフサイド。スコアレスのまま終了のホイッスルを聞くかと思われた。

 しかしロスタイム3分を過ぎた後半49分、執念でドラマを起こした。GKチョン・ソンリョンからのロングボールを中村、原川、田坂とつなぎ、左サイドからFW小林が絶妙のクロスをファーサイドへ。「その前に2本外したので(小林)悠の凄いボールが来たときはまた外すんじゃないかなと不安でいっぱいだった」と強気のエースらしからぬ心境だったというが、「最後はボールを見て顔面でもいいんで当てました」と気持ちを込めたヘディングシュート。ボールはゴール中央に突き刺さり、大久保は勝利を手にするとともに、歴代単独最多となるJ1通算159ゴールの新記録を打ち立てた。

 「引き分けで終わると思っていたけど、最後のサポーターの応援が心に響いた」と決勝弾を後押ししたホームのサポーターに感謝した大久保。チームは今季無敗を守って首位に再浮上したが、「このような勝ちができればチームがひとつになって勢いがつくと思うんで、このまま突き進めるように頑張っていきたい」と力強く語った。

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2016年4月10日のニュース