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マインツGM、岡崎の契約を後悔 入れ忘れた“優勝ボーナス”

[ 2016年4月9日 11:34 ]

マインツGM、岡崎慎司(レスター)の契約を後悔(AP)

 イングランドのプレミアリーグで日本代表FW岡崎慎司(29)が所属するレスターが初優勝に近づいていることは、岡崎が昨季までプレーしたドイツでも話題となっている。4日付のドイツ紙ビルトは「マインツのハイデルGMが、岡崎の契約内容を後悔している」と報じた。

 同GMは、13年に岡崎をシュツットガルトから移籍金150万ユーロ(当時約1億9000万円)で獲得し、2年後にレスターへ移籍金1000万ユーロ(約14億円)で“売却”。12~13年はリーグ1得点と不調だった日本人FWのポテンシャルを見逃さなかった鑑定眼で、クラブに日本円で約12億円もの“利益”をもたらしたが、レスターとの交渉で「入れ忘れた」条件があったという。それは“優勝ボーナス”。例えば「移籍先で選手が優勝に貢献した場合は、移籍金とは別に1億円受け取る」というような付帯条項(オプション)を付けるケースが多いが「まったくそんなことを考えなかった」とハイデルGM。昨季14位で辛くも残留した弱小クラブがビッグクラブひしめくプレミアリーグで優勝を争うとは、いくら敏腕GMでも予想できなかったというわけだ。

 そもそも、レスター自体が、選手に対する“優勝ボーナス”を設定していなかったという。2月にタイ人オーナー・ビチャイ氏が、優勝した場合に米ラスベガスへの旅行を約束したのも、優勝ボーナスの代わり。英紙デーリー・メールによると、クラブが残留争いを念頭に今季設定していたボーナスは、12位以上になった場合にチームに総額650万ポンド(約10億円)が支払われるというものだけ。最低でも約15億円といわれる収入をクラブにもたらす欧州CL出場権(3位以上。4位はプレーオフ)を獲得しても、リーグの優勝賞金2470万ポンド(約38億円)がクラブに入ったとしても選手の取り分は基本的にゼロということになる。

 デーリー・ミラー紙は「レスターの選手は来季からの勝利ボーナスとして、リーグ1試合につき1人1万5000ポンド(約230万円)を要求して交渉中」と待遇改善を求める動きを伝えているが、岡崎らイレブンが奇跡的な優勝を成し遂げても、得られるのは栄誉とV旅行だけということになりそうだ。(大久保 尚文)

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2016年4月9日のニュース