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シメオネ監督が狙うバルサの心 トーレス先発公表で心理戦

[ 2016年4月5日 13:00 ]

打倒バルセロナに闘志を燃やすシメオネ監督(AP)

 欧州チャンピオンズリーグ(CL)はいよいよ準々決勝がスタート。5日は第1戦の2試合が行われ、注目のスペイン対決でアトレチコ・マドリードは敵地で昨季王者バルセロナに挑む。欧州CLで過去に唯一対戦した13~14年の準々決勝は、2戦合計2―1でAマドリードが勝利しており、“闘将”ディエゴ・シメオネ監督(45)の下でチーム一丸となって金星の再現を狙う。

 昨季の欧州CL王者バルセロナとの決戦を前に、Aマドリードのシメオネ監督は強気だった。2日の国内リーグ・ベティス戦は5―1と大勝。直後の会見で「バルサ戦は毎回状況が違う。準備はうまくいっており、予定通りに試合に臨める」と自信満々に言い放った。

 アルゼンチン人指揮官は、中2日となる準々決勝第1戦を前に、ベティス戦を含めて準備を進めていた。試合前、先発したFWフェルナンド・トーレスに「次に向けて、今日の出場は60分(後半15分まで)だ」と通達。元スペイン代表ストライカーは、前半37分に先制点を挙げて大勝に貢献。ほぼ予定通り後半18分に交代し、心身とも万全の準備を終えた。

 バルセロナに心理戦、情報戦を仕掛けたのかもしれない。シメオネ監督は、そのトーレスについて試合後に「バルサ戦に出場する」と先発起用を明言。32歳のベテランFWは過去14戦で10ゴールとバルセロナを得意にしているため、相手にプレッシャーをかけるためにわざと公表した可能性はある。また布陣について「今日は4―3―1―2を使った。簡単ではなかったと思うが、選手はよく対応してくれた」と言及。基本の4―4―2とは違う布陣を今季初めて採用した裏に、対バルセロナの秘策が隠れているかもしれない。

 2年前の金星再現を狙う。バルセロナ戦は直近の公式戦で6連敗中。しかも、シメオネ監督が11年12月に就任してから通算15戦で1勝(5分け9敗)しか挙げていないものの、その唯一の白星が13~14年欧州CL準々決勝だった。アウェーの第1戦は1―1で引き分け、ホームの第2戦で前半5分の先制点を守り切って1―0で勝利。今回もアウェー、ホームの順番で、まずは第1戦でアウェーゴールを挙げてホームへ勢いをつなげたい。

 敵地に文字通り“チーム一丸”で乗り込むことになる。3日付のムンド・デポルティーボ紙は「決勝戦のようにシメオネは全員を連れていく」と負傷者を含め、トップチームの全22人を帯同すると報道。「メッシを含め、どんなスターよりもチームの方が重要」と団結力を重視する指揮官の下、磨き上げてきた結束力と組織力でスター軍団を打ち破る。

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2016年4月5日のニュース