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ハリル監督ニンマリ韓国回避  W杯最終予選同じ第2ポット入り決定

[ 2016年3月31日 05:30 ]

シリア戦から一夜明け、取材に応じるハリルホジッチ監督

 18年W杯ロシア大会アジア2次予選は29日に各地で最終節が行われ、最終予選に進出する12カ国が出そろった。4月12日の最終予選抽選会では、同7日発表のFIFAランクの上位から順に第1~6ポット(シード)に振り分けられ、A、B組に分かれる。日本は韓国と同じ第2ポット入りで宿敵との対戦回避が決定。30日に対応した日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督(63)は素直に喜んだ。同監督はテレビ解説のため、31日未明に羽田空港発の航空機でスペインに向かった。

 リアリストを自任するハリルホジッチ監督らしい反応だった。WOWOWが中継するバルセロナ―Rマドリード戦(4月2日)のゲスト解説に決まったことを受け、神奈川県内で取材に対応。W杯アジア最終予選で韓国と別の組になることにも言及し「韓国は進化しており、多くの選手が欧州トップリーグでプレーしている。最近もアウクスブルクの選手(具(ク)滋(ジャ)哲(チョル))が(5日のレバークーゼン戦で)ハットトリックした。とても強いチーム。避けられるのはいいこと」と素直に喜んだ。

 日本の現在のFIFAランクはイランに次ぐアジア2番手。29日のシリア戦に5―0で大勝したが、結果に関係なく4月7日発表予定のランクで順位が落ち、最終予選抽選で第2ポット以下になることが決まっていた。29日にA組のサウジアラビアがUAEを下せば、日本は第3ポットまで転落していたが、後半に追いつかれて1―1の引き分け。韓国と同じ第2ポットが確定し、最終予選で同組になる可能性が消えた。死闘を繰り広げてきた宿敵とのW杯予選での対戦は、加茂監督が途中で解任された98年フランス大会予選が最後。06年ドイツ、10年南アフリカ、14年ブラジル予選に続き、4大会連続で別組となる。

 心身ともに激しい消耗を強いられる韓国戦回避は6大会連続W杯出場への追い風ではあるが、楽観視はできない。対戦の可能性がある10カ国は第1ポットのイラン、オーストラリアはもちろん昨年1月のアジア杯で敗れたUAE、自国開催の22年W杯に向けて強化を進めるカタールなど難敵ぞろい。14年W杯ブラジル大会アジア最終予選では敵地でヨルダンに敗れており、長距離移動、高地開催、酷暑などの厳しい環境下では何が起こるか分からない。指揮官は「韓国の他にも強いチームはあるので誤解しないでほしい。最終予選は銀座を散歩するような楽な挑戦ではない」と語気を強めた。宿敵との対戦は避けられることになったが、笑顔は一瞬だけ。すぐに手綱を締め直した。

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